法人向けファイル共有・ファイル転送サービスの選び方|安全に大容量データを送る
ビジネス活用2026年4月17日

法人向けファイル共有・ファイル転送サービスの選び方|安全に大容量データを送る

最終更新日: 2026年4月17日

結論から言うと、法人のファイル共有・ファイル転送は「暗号化」「アクセス制限」「送信ログ」の3つが揃っているかで選ぶべきだ。

「ギガファイル便で十分」と思っている方も多いが、無料サービスには送信ログがない。誰がいつダウンロードしたか追えない状態で、取引先の機密データを送るのはリスクが大きい。

一方で、法人向けとされるサービスは月額数万円するものが多く、中小企業には導入しづらい。

この記事では、プライバシーマーク取得企業の運営者として、法人がファイル共有サービスを選ぶときの基準と、月550円から使える選択肢を紹介する。

この記事はギガワタス(giga-watasu.jp)の運営ブログです。自社サービスも比較対象に含まれています。評価基準とスコアリング内訳は記事内で全て公開しており、ギガワタスのデメリットも記載しています。

法人のファイル共有で失敗しない3つの選定基準

個人利用なら「送れればOK」でいい。だが法人は違う。万が一、送ったファイルが流出したら、損害賠償や取引先の信用喪失につながる。

チェックすべきは以下の3点だ。

法人向けファイル共有サービスの選定基準
選定基準 なぜ重要か チェックポイント
暗号化 通信経路だけでなくファイル自体が暗号化されていないと、サーバー侵害時に中身が読まれる AES-256(保存時暗号化)+ TLS(通信暗号化)の両方があるか
アクセス制限 URLが流出しても、指定したIP以外からはダウンロードできない IPアドレス制限、パスワード保護、ダウンロード回数制限
送信ログ 「誰がいつダウンロードしたか」を追跡できないと、漏洩時に原因を特定できない ダウンロード日時・回数の記録、送信履歴の管理画面

さらに、プライバシーマークやISMS(ISO27001)があれば、第三者が情報管理体制を審査済みという証拠になる。ただしこれらは「組織の管理体制」の認証であり、暗号化やアクセス制御といったサービス機能の安全性を直接保証するものではない点は注意が必要だ。取引先への説明材料として有効だが、機能面のチェックとあわせて確認しよう。

無料のファイル共有サービスを法人で使う3つのリスク

ギガファイル便やfirestorageの無料プランは個人利用には十分だ。だが法人利用には以下のリスクがある。

1. 送信ログがない
ギガファイル便には管理画面がない。ファイルを送った後、誰がダウンロードしたか確認する方法がない。情報漏洩が起きたとき「いつ・誰が・何をダウンロードしたか」を調べられない。詳しくは「ファイル転送で情報漏洩が起きる5つの原因と対策」を参照。

2. 広告が取引先に表示される
無料サービスのダウンロードページには広告が表示される。取引先がファイルを受け取る画面に、関係のない広告や不適切な動画広告が出ることがある。企業としての信頼性に関わる。

3. 第三者認証がない
ギガファイル便はプライバシーマークもISMSも取得していない。「御社はどんなセキュリティ対策をしていますか?」と聞かれたとき、「ギガファイル便を使っています」では説明にならない。

無料サービスが悪いのではない。用途が違う。社内の雑多なファイルを送るなら十分だが、取引先の機密データや個人情報を扱うなら、法人向けの機能が必要だ。

【比較表】法人向けファイル共有・転送サービス5選

法人で使えるファイル転送サービスを5つ選び、同一基準で比較した。

比較対象の選定基準: 国内で法人利用実績があり、公式サイトで料金・機能を公開しているサービスから、中小企業〜大企業まで異なる価格帯をカバーするよう選定した。

評価基準は以下の5項目 x 20点 = 100点満点。当ブログではすべての比較記事で同一基準を使っている。中小企業の実用性を重視した配点のため、大企業専用サービスはコスト面で不利になりやすい。

  1. 暗号化・セキュリティ(/20点)— 保存時暗号化(AES-256等)、通信暗号化(TLS)、ウイルススキャン、パスワード保護
  2. 認証・アクセス制御(/20点)— 第三者認証(Pマーク・ISMS等)、IP制限、2要素認証、送信ログ
  3. 容量・保存期間(/20点)— 大容量対応力
  4. 受取側の使いやすさ(/20点)— 広告の少なさ、登録不要か
  5. コストパフォーマンス(/20点)— セキュリティ機能あたりの価格

項目別スコア内訳

各社の法人向け有料プランで比較した。ギガワタスはプレミアムプラン(月550円)が比較対象だ。

法人向けファイル共有サービス 項目別スコア(各20点満点 / 2026年4月時点)
サービス名 暗号化 認証・制御 容量 使いやすさ
ギガワタス(プレミアム) 18 16 20 16
データ便(ビジネス) 12 16 16 14
Kozutumi(スターター) 16 16 8 16
クリプト便(エントリー) 14 20 4 16
firestorage(ライト) 12 14 10 16

総合スコア一覧

法人向けファイル転送サービス5選 総合比較(2026年4月時点)
サービス名 月額(税込) 最大容量 暗号化方式 総合スコア
ギガワタス プレミアム: 550円 300GB AES-256(保存時)+ TLS(通信) 84点
データ便 ビジネス: 330〜550円 無制限(ビジネス) TLS(通信のみ) 76点
Kozutumi スターター: 6,600円 2GB/件(月20GB) 自動暗号化(方式非公開) 66点
クリプト便 1,000円/人〜+初期費用 5〜20MB/通(標準) 暗号化あり(方式非公開) 64点
firestorage法人 ライト: 1,320円 25GiB〜 独自暗号化 + TLS(通信) 66点

※料金・機能は2026年4月時点の各社公式サイト情報に基づく。コストパフォーマンス(上表に含まれない5項目目)の配点: ギガワタス14・データ便18・Kozutumi10・クリプト便10・firestorage14。送信のみならデータ便(月330円)が最安。最新情報は各サービスの公式サイトをご確認ください。

1位: ギガワタス プレミアム(84点 / 月550円)

当社サービスなので正直に書く。この比較はプレミアムプラン(月550円・税込)の機能が前提だ。無料プランでもAES-256暗号化と300GBの送信は使えるが、IP制限・ウイルススキャン・送信履歴管理はプレミアム限定の機能になる。

メリット

  • 月550円で、AES-256暗号化(保存時)・ウイルススキャン・IPアドレス制限・広告なし・送信履歴管理が全て使える。AES-256は銀行のオンラインバンキングでも採用される暗号化方式で、ファイルがサーバーに保存される際にデータ自体を暗号化する。保存時暗号化の方式を公式サイトで明記しているのは、今回比較した5社の中でギガワタスだけ
  • 無料プランでも300GBまで送れる。容量は全5社中ダントツ1位
  • プライバシーマーク取得企業(株式会社グッドヒルシステムズ)が運営。取引先への説明がしやすい

デメリット

  • 知名度ではギガファイル便に劣る。「ギガワタスって何?」と言われることがある
  • 送信承認機能(上長承認フロー)がない。大企業のコンプライアンス要件に足りない場合がある
  • 無料プランには広告が表示される(ただし他社の無料プランと比べて大幅に少ない)
  • DL詳細履歴(日時・IP・地域)はプレミアム限定。無料プランでは確認できない

2位: データ便 ビジネスプラン(76点 / 月330〜550円)

データ便のセキュリティ便(受取申請制)が特徴。受取側が「受け取りたい」と申請しないとダウンロードできない仕組みで、誤送信対策になる。

ビジネスプランは送信のみなら月330円、受取機能付きなら月550円。送信だけならギガワタスより安い。容量もビジネスプランなら無制限(100GB超も可)で、無料プランの弱点(ライト2GB、フリー5GB)を解消できる。

メリット: プライバシーマーク取得(公式セキュリティページ)。ISO27001はデータセンターが取得(運営会社ファルコ自体の取得かは公式サイトに明記なし)。2要素認証(ビジネスプラン)、パスワード自動生成。誤送信対策を重視するならデータ便の方がギガワタスより優れている。
デメリット: ファイル本体の保存時暗号化について公式サイトに記載がない(通信暗号化のみ確認)。IP制限機能がない。ウイルススキャンもない。詳しくは「ギガファイル便とデータ便を徹底比較」を参照。

3位: Kozutumi スタータープラン(66点 / 月6,600円)

Kozutumi(コズツミ)はセキュリティ特化型。東京海上日動のサイバー保険が自動付帯するのが他社にない特徴。万が一のインシデント時に金銭的な補償が受けられるのは法人にとって大きな安心材料だ。

ただしサイバー保険はスタータープラン(月6,600円)以上のみ。無料プラン(月100MB)やパーソナルプラン(月990円)には付帯しない。法人で実用的に使うならスターター以上が前提になる。

料金体系: 無料(5名・月100MB)→ パーソナル 990円/月(1名・月3GB)→ スターター 6,600円/月(80名・月20GB)→ スタンダード 26,400円/月(400名)

メリット: ISMS認証+ISMSクラウドセキュリティ認証、ウイルススキャン、自動暗号化(方式は非公開)。送受信ログ10年保管(有料プラン)。サイバー保険があるのはKozutumiだけ。
デメリット: 保険付きのスタータープランは月6,600円で、ギガワタスの12倍。1ファイル2GBまで、月間送信量も20GBまで。IP制限機能がない。暗号化方式が公式サイトで公開されていない。

4位: クリプト便 エントリープラン(64点 / 月1,000円×人数+初期費用)

クリプト便はNRIセキュアテクノロジーズ(野村総研グループ)が運営。大企業向けの代表格。

メリット: ISO 27001・27017・27018、PCI DSS、ISMAP、AAAis(セキュリティ格付最高位)の6つの第三者認証。送信承認機能(上長承認後に送信 or 事後承認で取消し)。金融機関の導入実績が多い。コンプライアンス要件が厳しい企業にはクリプト便が最適解。
デメリット: 月額1,000円/人〜+初期費用。20人なら月20,000円+初期費用。1通あたりの標準容量は5MB(エントリー)〜20MB(スタンダード)と非常に小さい。大容量オプション(最大10GB/通)は別料金。月間送信数にも上限あり(100〜1,000通/月)。暗号化方式は公式サイトに具体的な記載がない。中小企業には高額で容量も厳しい。

5位: firestorage法人プラン(66点)

老舗firestorageの有料プラン。

メリット: プライバシーマーク取得、国内データセンター、24時間365日監視。独自暗号化技術(特許申請中)あり。
デメリット: ライトプラン(月1,320円)でも25GiBまで。IP制限がなく、アクセス制御の選択肢が少ない。詳しくは「ギガファイル便とfirestorageを徹底比較」を参照。

ギガワタス — 登録不要・無料で300GBまでファイルを送れる

法人向けファイル共有 — 月550円で使える機能

法人向けサービスの多くは月額数千円〜数万円する。ギガワタスのプレミアムプランは月550円(税込)で以下が全て使える。

IPアドレス制限

管理画面からIPアドレスまたはCIDRブロックを登録し、指定したIP以外からのダウンロードをブロックできる。たとえば「取引先のオフィスIPだけ許可」という運用が可能だ。

ギガワタスのIP制限設定画面 — 管理画面からIPアドレスを追加してダウンロード元を制限
ギガワタスの管理画面。IPアドレスまたはCIDRブロックを追加して、ダウンロード可能なアクセス元を制限できる。右側にはダウンロード履歴も表示される。

送信履歴管理

マイページで送信したファイルの一覧、容量、保存期限、ダウンロード回数を確認できる。「あのファイル、ちゃんとダウンロードされた?」を管理画面から確認できる。厳密な監査ログ(アクセス元IPの記録等)とは異なるが、「いつ・何を送り・何回ダウンロードされたか」は把握できる。

ギガワタスのマイページ — 送信履歴でファイル名・容量・DL回数・保存期限を管理
ギガワタスのマイページ。送信したファイルの一覧が表示され、ファイル名・容量・保存期限・ダウンロード回数を一覧で管理できる。AES-256暗号化のバッジも表示される。

その他の法人向け機能

  • ウイルススキャン — アップロード時に自動スキャン
  • 広告なし — 受取側の画面にも広告が出ない。取引先に安心して使ってもらえる
  • 保存期間最大90日 — 無料プランは最大30日
  • カスタムURL — ダウンロードURLにブランド名を入れられる
  • 受取フォルダ(5個) — 取引先からファイルを受け取る専用フォルダ

法人のファイル共有はファイル転送とクラウドストレージどちらを選ぶべきか

「Box や Google Drive じゃダメなの?」という疑問もあるだろう。ファイル転送サービスとクラウドストレージは用途が違う。

ファイル転送サービスとクラウドストレージの比較
比較項目 ファイル転送サービス クラウドストレージ
主な用途 大容量ファイルを社外に「送る」 ファイルを社内で「保管・共有する」
受取側の登録 不要(URLを送るだけ) アカウント必要な場合が多い
大容量対応 数十GB〜300GBも対応 容量制限あり(プランに依存)
導入コスト 無料〜月数百円から 月数千円/人〜(法人プラン)
向いている場面 取引先への納品、大容量データの受け渡し チーム内のファイル管理、共同編集

取引先にファイルを送るなら、ファイル転送サービスの方が手軽で安い。受取側にアカウント登録を求める必要がなく、URLを1本送るだけで済む。

一方、社内のチームでファイルを共有・編集するなら、クラウドストレージの方が向いている。用途に応じて使い分けるのが正解だ。

【用途別】こんな会社にはこのサービス

法人向けファイル転送 用途別おすすめ
こんな会社 おすすめ 理由
中小企業・フリーランス ギガワタス 月550円で暗号化・IP制限・ウイルススキャン。300GBまで対応
誤送信対策を重視 データ便 セキュリティ便(受取申請制)で誤送信をブロック
万が一の補償も必要 Kozutumi サイバー保険付帯(スターター月6,600円〜)。ISMS認証取得
金融・大企業 クリプト便 6つの第三者認証、送信承認機能。コスト度外視でセキュリティ最優先

よくある質問

Q. 無料のファイル転送サービスを法人で使っても大丈夫?

社内の雑多なファイルなら問題ない。ただし取引先の機密データや個人情報を送るなら、暗号化・アクセス制限・送信ログがあるサービスを使うべきだ。万が一の情報漏洩時に「無料サービスで送っていました」では責任を問われかねない。

Q. ファイル転送サービスはPPAPの代わりになる?

なる。パスワード付きZIPをメールに添付するPPAPは、多くの企業で廃止されている。ファイル転送サービスなら、暗号化されたURL共有+パスワード保護+ダウンロード回数制限で、PPAPより安全にファイルを送れる。詳しくは「脱PPAPの進め方|今日から始める具体的な5ステップ」を参照。

Q. ギガワタスの無料プランと有料プランの違いは?

無料プランでもAES-256暗号化・パスワード保護・300GBまでの送信が使える。プレミアム(月550円)で追加されるのは、広告非表示・ウイルススキャン・IPアドレス制限・保存期間最大90日・カスタムURL・受取フォルダだ。

Q. 取引先からセキュリティ対策について聞かれたら何を伝えればいい?

「AES-256で暗号化している」「プライバシーマーク取得企業のサービスを使っている」「IPアドレス制限で社外からのアクセスを遮断している」の3点を伝えれば、多くの取引先の確認項目を満たせる。情報セキュリティチェックシートの提出を求められた場合は、サービスの公式サイトで公開されているセキュリティ情報を記載する。

まとめ

法人のファイル共有・転送は「暗号化」「アクセス制限」「送信ログ」で選ぶ。この3つが揃っていれば、取引先の信頼を守れる。

大企業ならクリプト便のようなエンタープライズサービスが選択肢に入る。だが中小企業やフリーランスにとって月額数万円は現実的ではない。

ギガワタスなら無料でもAES-256暗号化が使える。まずは無料で試して、継続的に法人利用するなら無料会員登録で送信履歴管理を使うのが最短だ。

ギガワタス — 無料会員登録で送信履歴を管理できる

法人利用が本格化したら、月550円のプレミアムプランを検討してほしい。広告なし・ウイルススキャン・IP制限で、取引先にも安心して使ってもらえる。

吉岡 崇

吉岡 崇

株式会社グッドヒルシステムズ 代表取締役

ダビングコピー革命、オモイデ+PLUS、ギガワタス、システム開発革命等のサービスを提供しています。

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