使えるファイル箱の仕組み — ふたの開いた書類箱を何人もの社員が共有するイラストと黄色い紙飛行機
サービス比較2026年9月3日

使えるファイル箱とは|料金・無料トライアル・ログインと安全性

最終更新日: 2026年9月3日

使えるファイル箱は、長野県長野市の使えるねっと株式会社が提供する、法人向けのファイル共有ストレージです。料金は容量で決まり、ユーザーを何人増やしても追加料金がかかりません。1年契約のスタンダードプラン(1TB)が月23,200円(税込25,520円)、1カ月契約なら月27,400円(税込30,140円)で、IPアドレス制限やデバイス管理を備えたアドバンスプラン(3TB)は1年契約で月66,000円(税込72,600円)です。恒常的な無料プランの記載は確認できませんが、クレジットカード不要の30日間無料トライアルがあり、期間が終わると自動で停止します。Windowsのエクスプローラー・MacのFinderにドライブとして表示され、ブラウザの管理画面(cloudfile.jp または filescloud.jp)とスマートフォンアプリからも使えます。

先に押さえておくべき点を3つ書きます。1つめは、これは「送る」サービスではなく「置いて共有する」サービスだということ。社内のファイルサーバーをそのままクラウドに移す設計で、取引先へ渡すときは共有フォルダに招待するか公開リンクを作ります。2つめは、公式サイトで確認できる「ISO27001」の説明はデータセンターを対象としたもので、使えるねっと株式会社自身の認証としては書かれていないこと。当ブログが2026年9月3日にISMS・ISO/IEC 27017・プライバシーマークの公的登録簿を引いた範囲でも、同社の登録は確認できませんでした(公式サイトにも会社としての認証番号の記載はありません)。3つめは、日本語ページと英語ページで料金表示が一致しないこと。英語版の料金ページには1年契約スタンダードが月21,230円(税込)など、日本語版より低い金額が表示されています。当ブログが2026年8月11日に記録した料金も税込21,230円で、料金改定の告知はお知らせページで確認できませんでした。どの金額が自分の契約に適用されるかは、見積もりで確認してください。順に見ていきます。

この記事は、大容量ファイル転送サービス「ギガワタス」(giga-watasu.jp)の運営ブログです。競合にあたるサービスを扱っていますが、公式サイト・サポートサイト(ナレッジベース)・利用規約・SLAに書かれている内容と、公的な登録簿で照合できた事実、当ブログが実際に確認した事実だけを根拠に書きます。当社が負けている点も隠さず書きます。主な調査日は2026年9月3日で、料金については当ブログが2026年8月11日に記録した数字も参照します。

使えるファイル箱とは|長野の使えるねっとが提供するユーザー数無制限の法人向けファイル共有サービス

公式サイトは使えるファイル箱を「中小企業のためのクラウドストレージ」「社内のファイルサーバーをまるごとクラウドへ」と説明しています。特徴として挙げているのは、ユーザー数無制限、国内データセンター(長野2拠点)、エクスプローラーで利用可能、30日間無料トライアルの4つです。ユーザー数ではなく容量で課金するため「100人でも1,000人でも同じ料金」だと公式は書いています(同じ容量・同じプランの範囲での話で、容量の追加や上位プランへの変更は別料金です)。

使えるファイル箱の公式ページ — 使えるねっとの法人向けクラウドストレージ
使えるファイル箱の公式ページ(2026年9月4日に当ブログで取得)。「ユーザー数無制限」「国内データセンター(長野県)」と記載され、期間限定の割引が告知されている。

できることは大きく4つです。

  • ファイルサーバーの代わりに使う:Windowsのエクスプローラー、MacのFinderに仮想ドライブとして表示され、普段どおりの操作でアップロード・ダウンロード・共有ができる。上書き前のファイルを0〜999世代まで復元でき、削除したファイルも60日以内なら戻せる(公式サイト)
  • 社内外で共有する:共有フォルダにユーザーやグループを招待し、所有者・編集者・ビューアの権限を分ける。取引先には共有フォルダへの招待か公開リンクで渡す(サポートサイト)
  • 管理する:ユーザー設定、グループ設定、アクセスしたデバイスの確認とブロック、ログイン履歴、アクティビティログ、共有制限の管理、AD連携(公式サイト)
  • 外から使う:iOS・Androidアプリ、ブラウザの管理画面、複合機からのスキャンデータを自動で取り込むメールゲートウェイ(オプション)、APIでの操作(公式サイト・サポートサイト)

提供元は使えるねっと株式会社(Tsukaeru.net Co.,Ltd.)です。本社は長野県長野市南県町のND南県町ビル3階、代表取締役はジェイソン・フリッシュ氏、資本金は8,074万円です。会社概要の沿革は1999年7月の個人事業に始まり、2002年2月の株式会社JMFインベストメント&テクノロジー設立、2007年4月の株式会社JMF設立を経て、2009年11月に使えるねっと株式会社へ社名を変えたとあります(設立日は特定商取引法に基づく表示が2007年4月13日、会社概要の沿革が4月17日と、公式ページ間で日付が割れています)。事業内容はクラウドサービス事業で、レンタルサーバー・VPS・バックアップ(使えるデータプロテクト)・電子契約(使えるサイン)などを同じブランドで提供しています。

見落としやすいのが、使えるファイル箱の基盤がデンマークのRushFiles社のプラットフォームだという点です。使えるファイル箱利用規約の第17条は「本サービスのプロバイダーであるRushFiles社」と書き、サポートサイトはスマートフォンではApp Store・Google Playで「rushfiles」と検索して「RushFiles」アプリを入れるよう案内しています。会社概要の沿革にも2018年12月の「Rushfiles A/S出資(デンマーク)」が載っています。製品ページにはこの関係が書かれていないので、ここに記しておきます。

問い合わせ窓口は電話(平日10:00〜17:00、金曜12:30〜14:30を除く)、サポートメール(チケット・24時間受付)、チャット(平日10:00〜19:00、土日祝10:00〜16:00)、サーバーダウン時の緊急連絡(24時間)で、公式サイトは日本語と英語に対応と書いています。公式のトライアル案内ページは、同社の製品全体について「3,000社以上の中小企業が導入」としています。

使えるファイル箱の料金|1年契約なら月25,520円(税込)で1TB、1カ月契約は30,140円、無料は30日トライアル

料金は公式サイトの料金プラン欄に、1カ月契約と1年契約の2通りで載っています。表示は月額単価で、支払いは一括前払いです。1年契約のスタンダードなら年額306,240円(税込)を前払いして月額換算25,520円、アドバンスなら年額871,200円(税込)で月額換算72,600円という意味です。当ブログでは税込を主表示にします(公式は税抜表示に税込を併記)。

使えるファイル箱の料金(月額単価・税込。かっこ内は税抜)
プラン 1カ月契約 1年契約 容量・ユーザー数
スタンダード 30,140円(27,400円) 25,520円(23,200円) 1TB・ユーザー数無制限
アドバンス 90,860円(82,600円) 72,600円(66,000円) 3TB・ユーザー数無制限

データ確認日:2026年9月3日/出典:使えるファイル箱 公式サイト(料金プラン)

2026年8月19日から9月30日の申し込み分までは、1年契約の初年度がスタンダード20%OFF(月18,560円・税込20,416円)、アドバンス30%OFF(月46,200円・税込50,820円)になるキャンペーンが告知されています。対象は新規の1年契約のみで、2年目以降は通常料金、1カ月契約と既存契約の増設・プラン変更は対象外です(お知らせ2026年8月18日付)。

料金まわりで注意したい点が3つあります。

  • 公式ページ内で税込・税抜の表記が割れている:料金プラン欄は「23,200円/月(25,520円/月 税込)」ですが、同じページの他社比較表はスタンダードを「月単価(税込)*23,200円」と書いています。比較表の数字は税抜と読むのが自然です
  • 英語版ページの料金が日本語版と違う英語版のFilebox紹介ページは、1カ月契約スタンダード22,800円(税込25,080円)、1年契約19,300円(税込21,230円)、アドバンス1年契約55,000円(税込60,500円)、容量追加1TBあたり月7,800円(税込8,580円)と表示しています。当ブログが2026年8月11日に記録した料金も「税込21,230円/月〜」で、英語版と同じ数字でした。日本語版がいつ変わったのか、英語版が現在も申し込みに使える金額なのかは公式に確認できていません。契約時は見積もりに書かれた金額を基準にしてください
  • 容量の追加と大量データの初期投入は別料金:容量追加は公式FAQで「ご希望に応じて追加が可能」「追加のお見積もりはお問い合わせください」としています。大容量データのアップロード向けに、使えるねっとが郵送した外付けHDDにデータをコピーして返送し、データセンター側で直接アップロードしてもらう物理配送オプション「シャトル便」があり、案内PDFでは1回・1TBあたり50,000円(税込55,000円)です。同じPDFには容量追加が1TBあたり10,000円(税込11,000円)とありますが月額か一括かの単位が書かれておらず、英語版ページの「1TBあたり月7,800円(税込8,580円)」とも一致しないため、追加分は見積もりで確認してください

「使えるファイル箱 無料」で探している方へ

確認した料金プラン・FAQ・トライアル案内に、恒常的な無料プランの記載はありません。あるのは30日間の無料トライアルで、トライアル案内ページには「クレジットカード不要、いつでもキャンセルOK」「トライアル期間中は完全に無料」「自動的に課金されることもありません」「トライアル期間が終了すると、自動的にサービスの利用は停止します」と書かれています。本番と基本的に同じ機能を使え、複数アカウントでチーム利用もできます。申し込みはフォームからで、公式サイトの流れは①問い合わせ(即日または翌営業日に対応)→②オンラインで案内(1週間以内)→③30日間のトライアル・勉強会→④本契約(入金確認後翌営業日)です。トライアルからそのまま本契約に移る場合は、トライアル期間内の支払いが必要と注記されています。

使えるファイル箱の容量と機能|ファイルサイズ上限なし・999世代の復元、スタンダードとアドバンスの違い

数字の条件を、公式サイトの機能一覧・データ保護欄・FAQと、サポートサイトから拾います。

使えるファイル箱の容量・復元・動作環境の条件
項目 条件 出典
保存容量 スタンダード1TB/アドバンス3TB。追加は見積もり 公式サイト料金プラン・FAQ
1ファイルの上限 「ファイルアップロード可能サイズ無制限」「ファイルサイズ上限 なし」と公式が記載。ただしPCの空き容量を超えるファイルはアップロードが止まる(仮想ドライブに表示される空き容量はPC側のもの) 公式サイト・サポートサイト
版の復元 上書き前のファイルを0〜999世代まで復元。履歴の保存期間は最大999日 公式サイト
削除の復元 削除済みファイルは60日以内なら復元 公式サイト・FAQ
プレビュー 公開リンクのプレビューは20MBまで(Office・txt・画像・PDF) サポートサイト
公開リンクのダウンロード回数 アドバンスのみ1〜10回または無制限で設定。上限に達するか有効期限を過ぎるとリンクは無効 サポートサイト
対応環境 Windows 10/11(ARM版と32bit版は非対応)、macOS 12.1以降(Apple silicon対応)、iOS・Android・主要ブラウザは直近2バージョン。Internet Explorer非対応 サポートサイト「システム要件」
アップロードできないもの .tmp、「~」で始まるファイル、thumbs.db、desktop.ini、*.mdb、*.partial、隠しファイル(PCクライアント)。Accessなどのデータベースファイルは破損の可能性があり非推奨 サポートサイト

スタンダードとアドバンスの違いは、料金プラン欄の○×がそのまま答えです。

使えるファイル箱 スタンダードとアドバンスの機能差
機能 スタンダード アドバンス
容量 1TB 3TB
MS Officeオンライン連携 ○ あり(編集にはMicrosoft Office Businessライセンスが必要) ○ あり(同左)
IPアドレス制限(IPホワイトリスト) × なし ○ あり
デバイス管理 × なし ○ あり
WebDAV連携 × なし ○ あり
ダウンロード回数制限 × なし ○ あり
宛先指定で送信 × なし ○ あり
プレビュー/ダウンロード選択 × なし ○ あり

データ確認日:2026年9月3日/出典:公式サイトの料金プラン欄。○×は公式表記のまま。ユーザー数無制限、エクスプローラー・Finder操作、世代管理、削除復元、公開リンクのパスワード・有効期限、AD連携、モバイルアプリは両プラン共通です。

公開リンクの作り込みがプランで大きく違います。サポートサイトの「公開リンク(パブリックリンク)の作成」によると、スタンダードで設定できるのは個人メッセージ・有効期限・パスワード保護の3つです。アドバンスではこれに、リンクタイプ(プレビューとダウンロード/プレビューのみ/ダウンロードのみ)、ダウンロード回数の制限、「このリストの人とだけ共有する」(指定したメールアドレスの確認を通った人だけが開ける)が加わり、共有フォルダごとに公開リンクを承認制にする「公開リンク承認設定」も使えます。なお、ビューア権限のユーザーは公開リンクを作れません。

ユーザーの種類は管理者・内部・外部の3タイプで、フォルダごとの権限は所有者・編集者・ビューアの3段階です。外部ユーザーは新しい共有フォルダを作れず、招待された共有フォルダで読み書きだけできるという設計なので、取引先を「外部」で登録すれば社内フォルダ全体を見せずに済みます。グループには編集者かビューアの権限だけを与えられます。

使えるファイル箱の使い方|ログイン先(cloudfile.jp/filescloud.jp)・エクスプローラー・アプリ・公開リンク

ログイン先は、サポートサイトの「1.使えるファイル箱 管理画面への初めてのログイン方法」に、ウェブ管理画面のURLは「cloudfile.jp」「filescloud.jp」のいずれかで、トライアル開始通知メールかサービス開始通知メールに書かれたURLを確認するよう案内されています。使えるねっと本体のログインページにあるコントロールパネル(portal.tsukaeru.net)は契約管理用で、ファイル箱の管理画面とは別です。初回は「パスワードを忘れましたか?」からパスワードを設定し(再設定リンクの有効期間は24時間)、メニューが英語で表示されたらProfileのLanguageで日本語を選びます。ブラウザの翻訳機能はレイアウトが崩れるため非推奨とされています。

ログインできない・ロックされたときは、初期設定で「5回のログイン失敗で5分のアカウントロック」がかかります(サポートサイト「不正ログインへのアカウントロック機能」)。管理者は全社の基準を3回以上・5分〜1日の範囲で変更できます。アドバンスのIPホワイトリストやデバイス管理を有効にしている会社では、許可されていないIPアドレスや未承認のデバイスからのログインが止められるので、社外からつながらないときはまず管理者に確認します。

PCから使う手順は、サポートサイトのスタートガイドに沿うと次のとおりです。

  1. 管理者がウェブ管理画面で共有フォルダとユーザーを作り、ユーザーやグループに所有者・編集者・ビューアの権限を割り当てる
  2. 各ユーザーがWindows用またはMac用のクライアントソフトをインストールしてログインする。Windowsでは仮想ドライブ(Uドライブなど)として、MacではFinderにファイル箱が表示される
  3. ファイルをコピーして置く。サポートサイトは「切り取り」ではなく「コピー&ペースト」を使うよう求めており、大きなファイルや大量のファイルはPCにキャッシュがたまってディスクを圧迫するため、分けてアップロードしてキャッシュを削除するよう案内している
  4. 取引先に渡すときは、エクスプローラーで右クリック→Filebox→「パブリックリンクを作成」か「電子メールでリンクを作成する」を選び、有効期限とパスワードを付ける(アドバンスならリンクタイプ・回数制限・宛先指定も)
  5. 同じファイルを複数人が同時に開くと、後から保存した人は別名で保存する形になる。編集ロック機能か、Web用Office機能をオンにしてブラウザ上で同時編集する

スマートフォンでは、App Store・Google Playで「rushfiles」と検索して「RushFiles」アプリを入れ、メールアドレスとパスワードでログインします。アプリからアップロードできるのは写真・動画のみで、撮影した写真や動画を指定フォルダへ自動コピーするバックアップ機能、Microsoftのアプリを使ったOfficeファイルの編集、パブリックリンクの作成ができます(サポートサイト「モバイルアプリのご利用方法」)。

開発者向けには、ClientGateway(一般操作・ファイル閲覧)とFileCache(ファイル操作)の2つのAPIが用意され、OAuth 2.0/OpenID Connect 1.0による認証を使います(サポートサイト「ファイル箱のAPIの認証方法」)。既知の問題は「既知の問題について(一覧)」として公開されており、2026年9月3日時点の5件はいずれも対処済みか回避策付きです。

使えるファイル箱の安全性|AES-256・二要素認証・IPホワイトリスト、ISO27001の主体と登録簿の照合結果

安全面は、公式に書かれていること、当ブログが実際に確認したこと、公的登録簿で照合できたことの3つを分けて書きます。

まず公式サイトのセキュリティ欄と、サポートサイトの「データの安全性について」、利用規約の第19条・第20条に明記されている仕組みです。

  • 保存時の暗号化:利用規約第20条「本サービスのご利用において保存されるデータは、暗号化され保管するものとする」。サポートサイトは、サーバー内のファイルは名前を変えて難読化したうえでAES(256bit鍵)で暗号化していると説明
  • 通信の暗号化:すべての通信はポート443のSSL/TLSで、信頼された認証局が署名した2048bitのワイルドカード証明書を使用(サポートサイト)
  • 二要素認証:ログインパスワードに加えてGoogle認証システムまたはメールで確認(公式サイト)
  • アカウントロック:初期設定は5回失敗で5分。管理者が変更可能(サポートサイト)
  • IPホワイトリスト・デバイス管理:アドバンスのみ。IPアドレス単位でログインを制限し、新しいデバイスは承認者が許可するまでログインを止める。どちらも公開リンクで共有されたファイルへのアクセスは制限しない(サポートサイト)
  • ランサムウェア対策:世代管理によるバルクファイル復旧、管理者による遠隔データ削除(公式サイト)
  • ログ:利用規約第18条は、管理コンソールでユーザーアクセスログ・認証ログ・PCクライアント接続ログ・ファイルとフォルダの操作ログを提供すると定める
  • データの所在:利用規約第17条「原則として日本国内のサーバに保存」。ただし「メールアドレス等の特定情報については、本サービスのプロバイダーであるRushFiles社が管理するサーバーに保存される場合」があり、同社のデータ保存地域はデンマーク・ブラジル・インドネシアと明記。データセンターは長野2拠点で冗長化(公式サイト)
  • 運営側の管理:利用規約第19条は、データにアクセスできる担当者を事業責任者の許可を得た者に限定し、オフィスは生体認証で入退室管理、パスワードはハッシュ値で保存、データベースはプライベートサブネットに暗号化して保管と定める

次に、当ブログが2026年9月3日に確認した事実です。ウェブ管理画面のcloudfile.jpとfilescloud.jp、公式サイトのwww.tsukaeru.netは、いずれもTLS 1.0とTLS 1.1の接続を拒否し、TLS 1.2とTLS 1.3で接続できました(macOSのopensslとcurlで確認)。証明書はいずれもSectigo発行のドメイン認証(DV)型ワイルドカード証明書で、*.cloudfile.jpは2026年3月9日から2027年4月3日、*.filescloud.jpは2026年5月13日から2026年11月27日が有効期間でした。利用規約第19条の「SSL(SSL3.0/TLS1.0(暗号強度128ビット)以上)」という文言は下限を書いたもので、実際のサーバーは2021年にIETFが非推奨(RFC 8996)とした古い方式を受け付けていない、という関係です。

公式サイトに書かれていないことも整理します。アップロードしたファイルのウイルススキャンについては、公式サイト・サポートサイト・利用規約の確認した範囲では記載を確認できませんでした。記載がないことは機能がないことの証明ではありませんが、取引先から受け取るファイルの検査を要件にしている場合は問い合わせが必要です。ウェブ管理画面の稼働基盤(サーバーの所在する事業者名)も公式には明記されていません。

ISO27001・ISO/IEC 27017・プライバシーマークを公的登録簿で照合した結果

公式サイトが書いているのは「ISO認証データセンター 国際標準化機構認証規格 ISO27001」「データ保管場所はISO27001認証の長野データセンター」で、公式サイトの記載上、認証の対象はデータセンターであり、使えるねっと株式会社自身の認証としては書かれていません。同社の情報セキュリティ基本方針書(2026年5月11日付)は「情報セキュリティマネジメントシステムを確立、導入、運用」すると宣言していますが、認証番号や認証機関の記載はありません。当ブログは2026年9月3日に、ISMS-ACの認証取得組織検索(ISO/IEC 27001)とISMSクラウドセキュリティ認証の検索(ISO/IEC 27017)で「使えるねっと」「使える」「Tsukaeru」「JMF」などの社名表記と、登録範囲「ファイル箱」を検索し、JIPDECのプライバシーマーク付与事業者検索でも同じ表記を検索しましたが、いずれも該当がありませんでした(対照として別の事業者がヒットすることは確認済み。長野県のISO/IEC 27017登録は3組織で、同社は含まれていません)。登録簿に載らない認定機関で取得している可能性は残るため「登録簿では確認できなかった」とだけ書きます。公式サイトの「GDPRコンプライアンス EU一般データ保護規則対応」は同社の自己宣言で、第三者認証ではありません。

最後に責任の範囲です。使えるファイル箱利用規約の第38条は、使えるねっとが損害賠償責任を負う場合、利用者に現実に生じた通常の直接損害について「本サービスの対価として支払った利用料金総額を限度」として賠償するとし、間接損害・派生的損害・逸失利益は対象外と定めています。第21条は、利用者の指示で行うデータ復旧作業の正常性を保証しないとし、運用停止・提供停止の際は保管データの再収集を行わないとしています。使えるねっと全体の利用規約(第25条 データのバックアップ)も「契約者は自己の責任において、自己のデータのバックアップを行う」としているので、999世代の復元機能があっても、自社でのバックアップは別に考える必要があります。第44条は、アップロードされたデータの所有権はアップロードしたユーザーまたはフォルダ所有者に帰属すると明記しています。管轄裁判所は東京地方裁判所、この規約は2020年7月1日から実施です。

導入前に使えるねっとへ問い合わせる項目(公式サイト・サポートサイト・規約で確認できなかったこと)

  • アップロードしたファイルのウイルススキャン・マルウェア対策の有無
  • 二要素認証を全ユーザーに必須化できるか。SSO・SAML連携の有無
  • 操作ログ・認証ログの保存期間と、CSVなどでの出力方法
  • 暗号鍵の管理主体と、バックアップの分離・復旧目標(RPO・RTO)
  • 障害発生時の通知方法(サービス稼働状況ページ以外の連絡手段)
  • 契約面:年額の総額と請求書払いの可否(特定商取引法に基づく表示では銀行振込・クレジットカード・PayPal)、更新前の通知、解約手続きの窓口、解約時のデータ搬出方法と削除証明の有無、退職者アカウントの処理

使えるファイル箱の障害・SLA・解約|稼働率99.5%のクレジット、契約期間内は解約不可、解約30日後にデータ削除

障害情報は公式のサービス稼働状況ページと、お知らせの「メンテナンス・障害情報」カテゴリで公開されます。サーバーダウン時の緊急連絡は24時間受け付けています。

SLAは利用規約ページの「使えるファイル箱 SLA」に定められています。月間稼働率99.5%を目標に合理的な努力を払うとし、下回った月は請求金額(税抜)に対して、99.0%以上99.5%未満で10%、98.5%以上99.0%未満で30%、95.0%以上98.5%未満で50%、95.0%未満で100%のサービスクレジットを受け取れます。ただし、障害の証拠を添えて対象月の末日から20日以内に所定の申請書で請求する必要があり、クレジットは将来の請求にしか使えません。不可抗力、第三者からの攻撃、定期メンテナンス、コントロールパネルの不具合など付加機能の問題は除外です。同じページにある使えるデータプロテクトのSLA(99.9%)とは別物なので、読み違えないよう注意してください。なお、このSLAのサービスクレジットと、後述する利用規約第23条の日割り値引きが併用できるのか、どちらが優先するのかは規約上明記されていないので、契約前に確認する項目です。

契約と解約の条件は、使えるファイル箱利用規約に次のように書かれています。

  • 契約期間は契約日から起算して、契約者が選ぶ1カ月の整数倍。期間の末日から15日前までにどちらからも終了の通知がなければ、同じ条件・同じ期間で自動延長(第25条)
  • 契約期間内は解除できず、期間内の未払い料金の支払義務を負う。支払い済みの料金は理由を問わず返金しない(第11条)
  • 解約から30日後にデータを削除(第24条)
  • 契約容量を超えた場合、アップグレードされるまで利用できないことがある。運用停止・提供停止で保管データの再収集は行わない(第21条)
  • 使えるねっと側の事由で全部が連続24時間以上使えなかった場合、利用できなかった時間を24で割った日数分の日割り額を次回請求から値引く。請求は1カ月以内(第23条)
  • 利用責任者を選任して申込書で届け出る(第31条)。支払い遅延の損害金は年14.6%(第28条)

特定商取引法に基づく表示によると、支払い方法はVISA・Mastercard・JCB・American Express・銀行振込・PayPalで、法人とインターネット通販にはクーリングオフの規定がないと明記されています。年契約で前払いした料金が途中解約で戻らない点は、1年契約の割引と引き換えの条件として理解しておく必要があります。

使えるファイル箱のよくある質問

使えるファイル箱は無料で使えますか?

恒常的な無料プランの記載は、確認した料金プラン・FAQ・トライアル案内にありません。あるのは30日間の無料トライアルで、クレジットカード不要、期間中の課金なし、終了後は自動で利用停止と公式に書かれています。続けて使うにはスタンダード(1年契約で月25,520円・税込)かアドバンス(同72,600円・税込)の契約が必要です。

使えるファイル箱のログイン画面はどこですか?

ウェブ管理画面のURLは「cloudfile.jp」または「filescloud.jp」のどちらかで、トライアル開始通知メールかサービス開始通知メールに記載されたURLを使います。使えるねっとのコントロールパネル(portal.tsukaeru.net)は契約管理用で別物です。パスワードを5回続けて間違えると初期設定で5分間ロックされるので、少し待ってから再度ログインしてください。

1ファイルの容量に上限はありますか?

公式サイトは「ファイルアップロード可能サイズ無制限」「ファイルサイズ上限 なし」と記載しています。ただしサポートサイトは、PCの空き容量を超えるファイルはアップロードが途中で止まること、大きなファイルや大量のファイルはPCにキャッシュがたまるため分けてアップロードすることを案内しています。公開リンクでプレビューできるのは20MBまでです。

取引先とファイルを共有するにはどうしますか?

方法は2つです。取引先のユーザーを「外部」タイプで登録して共有フォルダに招待するか、ファイルやフォルダの公開リンク(パブリックリンク)を作って渡します。公開リンクにはパスワードと有効期限を付けられ、アドバンスプランならダウンロード回数の制限、閲覧のみの設定、宛先のメールアドレス指定、承認制にする設定も使えます。

スマートフォンでも使えますか?

使えます。App StoreまたはGoogle Playで「rushfiles」と検索して「RushFiles」アプリをインストールし、メールアドレスとパスワードでログインします。アプリからアップロードできるのは写真と動画のみで、撮影した写真・動画を指定フォルダへ自動でコピーするバックアップ機能もあります。iOS・Androidとも直近2つのバージョンが対応範囲です。

解約するとデータはどうなりますか?

利用規約は「解約から30日後にデータ削除します」と定めています。契約期間内は解除できず、支払い済みの料金は返金されません。契約期間の末日から15日前までに終了の通知をしないと、同じ条件で自動延長されます。サービス自体が終了する場合は1カ月以上前に周知され、保管データの返却や削除は別途協議とされています。

使えるファイル箱はISO27001やプライバシーマークを取得していますか?

公式サイトの「ISO27001」はデータ保管場所である長野のデータセンターの認証で、使えるねっと株式会社自身の認証番号は公式サイトに記載がありません。当ブログが2026年9月3日にISMS(ISO/IEC 27001)・ISO/IEC 27017・プライバシーマークの公的登録簿を社名の複数の表記で検索した範囲では、同社の登録は確認できませんでした。登録簿に載らない認定機関で取得している可能性は残ります。

まとめ|使えるファイル箱とギガワタスの使い分け

使えるファイル箱の性格は、「社内のファイルサーバーを、人数を気にせず定額でクラウドに移したい中小企業のためのストレージ」です。1TBで月25,520円(税込・1年契約)にユーザー数無制限、エクスプローラーとFinderでの操作、999世代の復元、外部ユーザーの権限分離、アドバンスならIPホワイトリスト・デバイス管理・公開リンクの承認制まで備え、TLSの設定も古い方式を切っています。その分、契約は問い合わせから始まる前払いの期間契約で、期間内の解約と返金はできず、会社としてのISMSやプライバシーマークは登録簿で確認できず、ウイルススキャンの有無は今回確認した範囲では分かりません。1回だけ大きなファイルを相手に渡したい用途には、そもそも設計が違います。

使えるファイル箱とギガワタスの使い分け
こんな人 おすすめ 理由
社内のファイルサーバーをクラウドに置き換えたい。社員が多く、人数課金だと高くなる 使えるファイル箱 容量課金でユーザー数無制限。エクスプローラー・Finderで普段どおりに操作でき、世代管理・削除復元・AD連携がある
取引先ごとに共有フォルダを分け、IPアドレスやデバイスでアクセスを絞りたい 使えるファイル箱(アドバンス) 外部ユーザーの権限分離、IPホワイトリスト、デバイス承認、公開リンクの回数制限・宛先指定・承認制
大きな動画や写真データを1回渡したいだけで、保管や同期は要らない ギガワタス 登録不要・無料で1ファイル333GBまで。保存期間は最長111日。パスワード・ダウンロード回数制限・ワンタイムダウンロードを送信時に設定できる
少人数の会社で、送信の管理機能だけを月額で持ちたい ギガワタス for Biz 1人月550円(税込)で1人から契約でき、30日間はクレジットカードなしで試せる。10人なら月5,500円

※この表は、保管・共同作業のためのストレージと、一時的に渡すための転送サービスという用途の整理であって、同じ種類のサービスの性能を比べたものではありません。使えるファイル箱の料金は1年契約時の月額単価(税込)。ギガワタス for Bizは人数課金なので、100人なら月55,000円(税込)となり、使えるファイル箱スタンダードより高くなります。

当社が負けている点を、はっきり書いておきます。ひとつは保管と共有の機能です。ギガワタスは「送る」ためのサービスで、保存期間は最長111日です。エクスプローラーへの仮想ドライブ表示、版の世代管理、共有フォルダの権限管理、AD連携のような、ファイルサーバーの代わりになる機能はありません。もうひとつは大人数での料金です。ギガワタス for Bizは1人月550円(税込)の人数課金なので、同じ100人で計算すると月額はギガワタス for Bizが55,000円、使えるファイル箱スタンダードが25,520円(1年契約)と、使えるファイル箱のほうが低くなります。保管型と転送型で容量も機能も違うので総合的な優劣ではありませんが、人数が多い会社ほどこの差は大きくなります。3つめは二要素認証とデバイス管理です。使えるファイル箱はログインに二要素認証を用意し、アドバンスでは未承認デバイスを止められます。ギガワタスのアクセス制御は無料会員のIPアドレス制限とダウンロード時のパスワード・回数制限が中心で、同じ形の仕組みではありません。なお、会社としてのISMS認証は当社も取得していません(当社が取得しているのはプライバシーマークです)。

そのうえで当社と違うのは、登録不要・無料で使える点と、渡すことに特化した設計です。無料といっても保存期間は最長111日で、ファイルを置いたまま共同作業する用途には向かないので、有料の法人向けストレージと料金だけを比べる話ではありません。ギガワタスは登録なし・無料で1ファイルあたり333GBまで送れ、通信だけでなく保存時もAES-256で暗号化しています。パスワード保護・ダウンロード回数制限・ワンタイムダウンロード・ウイルススキャン(500MB以下・動画と音声を除く)は登録なしで使え、無料会員登録でIPアドレス制限や受取フォルダ、ダウンロード通知も使えます。法人向けのギガワタス for Bizは1人月550円(税込)から契約でき、組織管理・送信取消・上長承認・監査ログのCSV出力(1年分)を備え、30日間はクレジットカードなしで試せます。使えるファイル箱の公式サイトが比較対象に挙げるDirectCloudFileforceも同じ方法で調べています。法人向けストレージの選び方は法人ファイル共有サービスの記事に、パスワード付きZIPをやめる考え方はPPAPの記事にまとめています。

使った人の声

4.777件の評価
★★★★★

超簡単で初めてでもできました。

2026-09-04

★★★★★

広告が少ない。見やすい。ウイルスチェックもありとても安心して使用できます。送り先からも高評価です。

2026-09-01

★★★★★

手順がシンプルです

2026-08-31

吉岡 崇

吉岡 崇

株式会社グッドヒルシステムズ 代表取締役

ダビングコピー革命オモイデ+PLUSギガワタスシステム開発革命等のサービスを提供しています。

この記事をシェア

関連記事

プライバシーマーク

株式会社グッドヒルシステムズ(ギガワタス)は、プライバシーマークを取得しています。また、当サイトはSSLを導入しており、お客様の個人情報などの大切なデータを安全にやりとりできます。

取得状況はこちら →