最終更新日: 2026年8月31日
sDrop(エスドロップ)は、株式会社パワーメディアが2012年から運営している無料のファイル転送サービスです。 会員登録なしで1回の送信合計300MBまで、無料のメールアドレス登録とログインで1GBまでのファイルを、ブラウザへのドラッグ&ドロップだけで送れます。
先に押さえておくべき点を3つ書きます。1つめは、容量が今の水準ではかなり小さいこと。 300MB(登録しても1GB)は、写真や書類には十分ですが、スマホで撮った長めの動画では超えてしまうことが珍しくありません。2つめは、預けたファイルが「お預かり後72時間」または「ダウンロード5回」のどちらか早い方で自動削除されること。 期間を延ばす設定は公式サイト上に見当たらず、短期間の受け渡しに割り切った設計です。3つめは、運営元の実体がはっきりしていること。 運営会社は2001年設立のWeb制作会社で、プライバシーマークを公的な登録簿で照合できました。利用規約も2024年8月に改定されています。順に見ていきます。
この記事は、大容量ファイル転送サービス「ギガワタス 」(giga-watasu.jp)の運営ブログです。競合にあたるサービスを扱っていますが、公式に書かれている内容と、公的な登録簿で照合できた事実だけを根拠に書きます。当社が負けている点も隠さず書きます。調査日はすべて2026年8月31日です。
sDrop(エスドロップ)とは|2012年から続く無料のシンプル転送
sDropは、メールに添付できない大きさのファイルをブラウザから送るための無料サービスです。公式サイトは自らを「シンプルな操作&機能をコンセプトに開発された、無料のファイル転送サービス」と説明しており、実際にトップページはドロップエリアがあるだけの1画面で、広告枠もありません。「広告がないシンプルな画面」は公式自身がうたっている特徴です。
sDrop の公式トップページ(2026年9月4日に当ブログで取得)。未ログインの状態では送信上限が「最大300MB」と画面に表示され、通知メール機能を使うと1GBに増える案内が出ている。
運営するのは株式会社パワーメディア 。2001年7月設立、資本金1,000万円、所在地は東京都千代田区神田錦町のWeb制作・システム開発会社です。会社概要には日本化薬、B-Rサーティワンアイスクリーム、パナソニック、LIXILといった取引先が並びます。sDropは同社の自社サービスとして2012年にリリースされました。
13年以上前のサービスと聞くと「もう動いていないのでは」と心配になりますが、サイトは現在も利用でき、利用規約 は2024年8月に改定、サイトのスクリプトにも2025年〜2026年1月付けのバージョン表記が残っています。少なくとも規約と実装の両方に、近年まで手が入れられてきた形跡があります。一方で、案内文には古いブラウザ向けの注意書きが残っているなど、画面デザインには年季も感じます。
sDropの使い方|ドラッグ&ドロップから3ステップ
送る側の操作は3ステップで終わります。公式のご利用ガイド に沿って書きます。
sDropのトップページ を開き、送りたいファイルをドロップエリアにドラッグ&ドロップする
「ファイルを送る」ボタンがブルーに変わったら、利用規約に同意のうえクリックする
表示された「ダウンロードURL」と「パスワード」を相手に伝える(「送信メール作成」ボタンを押すと、URLとパスワード入りのメールがPCのメールソフトで自動作成されます)
受け取る側は、届いたURLを開いてパスワードを入力し、「ファイルを受け取る」を押すだけです。ファイルは「sDrop_(14桁の日時).zip」というファイル名で自動的にzip圧縮されて届くので、受け取り後に解凍して使います。複数ファイルをまとめて送っても1つのzipにまとまるため、受け取り側の操作は常に1回です。
細かい仕様も公式ガイドとトップページの注記から拾っておきます。ファイル数は容量内であれば無制限。フォルダごと送ることはできないので、フォルダは先に圧縮しておく必要があります。送信に使えるのはHTML5&CSS3対応ブラウザ(Firefox・Safari・Google Chromeの最新版など)のみですが、受け取り(ダウンロード)はどのブラウザでも可能と明記されています。公式サイトに専用アプリの案内は見当たらず、公式ガイドの説明はPCでの操作を前提にしたもので、スマホ対応についての記載はありません。
sDropの容量と保存期間|300MBまで無料、登録で1GB。72時間かDL5回で消える
数字の仕様は次の表のとおりです。いずれも公式トップページと操作説明に明記されている値です。
sDrop(エスドロップ)の料金・容量・保存期間
項目
登録なし
メール登録+ログイン
料金
無料
無料
1回の送信容量(合計)
300MB
1GB
ファイル数
無制限(容量内)
無制限(容量内)
保存期間
72時間またはDL5回
72時間またはDL5回
通知メール
なし
ダウンロード完了・削除の通知
データ確認日:2026年8月31日/出典:sDrop公式サイト ・ご利用ガイド
料金について補足します。公式サイトには料金ページそのものがなく、トップページ・ご利用ガイド・利用規約のいずれにも有料プランや課金の案内は見当たりませんでした(2026年8月31日確認)。メールアドレス登録も、容量が1GBに増え各種通知メールが届くようになるだけで、料金の記載はありません。
保存期間の仕様はこのサービスの性格をよく表しています。預けたファイルは「お預かり後72時間」または「ダウンロード回数5回」のどちらか早い方で自動削除されます。 期間を延ばす設定は公式サイト上に見当たりません。裏を返せば、送りっぱなしで放置しても所定の期間でサーバーから自動削除される、という設計です。公式ガイドも「ワンタイムのデータ受け渡しに大変便利」と、この使い方を前提にしています。相手が3日以内に受け取れるか分からない場合や、何度もダウンロードし直す可能性がある場合には向きません。
1回の送信合計300MB(登録で1GB)という容量は、書類・写真・圧縮した資料一式なら実用的ですが、動画になると足りない場面が増えます。容量の大きいファイルを登録なしで送りたい場合の選択肢は、登録不要で使えるファイル転送サービスの比較記事 にまとめています。
sDropの安全性|SSLと全件パスワード保護、プライバシーマークを登録簿で照合した
安全面の仕様を、公式に書かれていることと、当ブログが公的登録簿で照合できたことに分けて書きます。
まず公式に明記されている仕組みです。通信はSSLで暗号化されます。そしてダウンロードには毎回、自動発行されたパスワードの入力が必要です (公式は「ダウンロードファイルはパスワード保護」と説明しています)。パスワードは送信のたびに自動で発行され、ダウンロードURLとセットで画面に表示される方式で、パスワードなしで送る手順は公式ガイドにはありません。「かけ忘れ」が構造的に起きないという点に限れば、任意設定の当社より堅い部分です。なお、保存中のファイルが暗号化されているかどうかについては、公式サイトに記載が見当たらず確認できませんでした。
URLとパスワードを同じメールで送ると効果が薄れる
sDropのパスワードはダウンロードURLと一緒に表示され、「送信メール作成」ボタンを使うと1通のメールに両方が入ります。手軽ですが、そのメールを見られた第三者に対しては、パスワードは追加の防御になりません。重要なファイルを送るときは、URLはメール、パスワードはチャットや電話など別の経路で伝えるのが基本です。詳しくはパスワードを安全に渡す方法の記事 で解説しています。
ウイルススキャンについては、公式サイトに機能としての記載がありません。それどころか利用規約は、受け取ったファイルの「ウイルスの有無などについて利用者自身で判断」するよう求めています。sDropで受け取ったファイルは、開く前に手元のセキュリティソフトでチェックする前提で使ってください。
プライバシーマークを登録簿で照合した結果
運営会社の株式会社パワーメディアは、会社概要で「プライバシーマーク 認定番号:第10823731(08)号」を掲げています。これをJIPDECの付与事業者検索 で照合したところ、登録番号10823731・枝番8、有効期間2024年11月26日〜2026年11月25日で確認できました。同社の沿革によれば取得は2010年で、枝番8は更新を重ねてきたことを示します。個人情報(サービスに預けられるメールアドレスなど)の扱いについて第三者の審査を受け続けている事業者です。なお、プライバシーマークは個人情報保護体制に対する認証で、ファイル転送サービスそのものの安全性を保証するものではありません。ISO27001(ISMS)については、会社概要の取得資格欄に記載されているのはプライバシーマークのみでした。
もう1つ、見落としやすい規約上の制限があります。利用規約は「本サービスの日本国外での利用は基本的に禁止」と明記しています。 海外の取引先や海外在住の家族とのファイルのやり取りには、規約上使えないと考えるべきです。またサポート窓口はメールのみで、電話サポートは行っていません。
メールアドレスを登録して使う場合は、受信者がファイルをダウンロードしたとき、およびサーバーからファイルが削除されたときに、送信者へ通知メールが届きます。「相手がちゃんと受け取ったか」を確認できる仕組みは、無料のサービスとしては丁寧な部類です。
sDropのよくある質問
sDropは無料ですか?
無料で使えます。公式サイトには料金ページがなく、トップページ・ご利用ガイド・利用規約のいずれにも有料プランや課金の案内は見当たりませんでした(2026年8月31日確認)。メールアドレスを登録すると送信容量が300MBから1GBに増えますが、この登録にも料金の記載はありません。
sDropは会員登録しないと使えませんか?
登録なしで使えます。その場合の送信容量は1回の合計で300MBまでです。メールアドレスを登録してログインすると容量が1GBに増え、受信者がダウンロードしたときとファイルが削除されたときに通知メールが届くようになります。
sDropの保存期間は延ばせますか?
公式の仕様では、預けたファイルは「お預かり後72時間」または「ダウンロード回数5回」のどちらか早い方で自動削除されると明記されており、期間を延ばす設定は公式サイト上に見当たりません。受け渡しが3日以内に終わらない可能性がある場合は、保存期間を自分で設定できるサービスを選んでください。
sDropはスマホから使えますか?
公式ガイドの説明はPCのブラウザとメールソフトを前提にしており、スマホ対応についての記載はありません。公式サイトに専用アプリの案内も見当たりません。送信に使えるのはHTML5&CSS3対応ブラウザと案内されており、受け取り(ダウンロード)はどのブラウザでも可能とされていますが、スマホでの動作を公式は明記していません。
sDropのパスワードは必ずかかりますか?
かかります。ダウンロードのたびに自動発行されたパスワードの入力が必要で、公式も「ダウンロードファイルはパスワード保護」と説明しています。パスワードは送信のたびに自動発行されます。パスワードなしで送る手順は公式ガイドにはありません。ただしダウンロードURLとパスワードを同じメールで送ると保護の意味が薄れるため、重要なファイルでは別の経路で伝えることをおすすめします。
sDropの運営会社はどこですか?
東京都千代田区の株式会社パワーメディアです。2001年7月設立のWeb制作・システム開発会社で、sDropは2012年にリリースされた自社サービスです。プライバシーマーク(登録番号10823731・枝番8、有効期間2024年11月26日〜2026年11月25日)をJIPDECの付与事業者検索で照合できました。
sDropで海外の相手にファイルを送れますか?
利用規約が「本サービスの日本国外での利用は基本的に禁止」と明記しています。技術的に接続できたとしても規約上は認められていない使い方になるため、海外とのやり取りには国外利用を認めているサービスを使ってください。
まとめ|sDropとギガワタスの使い分け
sDropの性格は一貫しています。「小さめのファイルを短い期間だけ受け渡して、サーバーに残さない」ための道具です。 容量を求めるサービスではなく、多機能を求めるサービスでもありません。その割り切りが、3ステップの操作・広告のない画面・自動発行されるパスワード・72時間での自動削除という形に表れています。
sDropとギガワタスの使い分け
こんな人
おすすめ
理由
写真や書類など数百MBまでを、短期間だけ受け渡したい
sDrop
3ステップで送れて広告もない。72時間またはDL5回でサーバーから自動削除される
相手がすぐ受け取れるか分からない/保存期間を自分で決めたい
ギガワタス
保存期間を3〜111日から選べる。ダウンロード回数制限やワンタイムダウンロードも自分で設定できる
スマホで撮った長い動画や数GBの素材を送りたい
ギガワタス
sDropは登録しても1回の合計1GBまで。ギガワタスは1ファイルあたり333GBまで無料で送れる
対象ファイルの自動ウイルススキャンを使いたい
ギガワタス
sDropはスキャン機能の記載がなく、規約も利用者自身の判断を求める。ギガワタスは500MB以下のファイル(動画・音声を除く)を自動スキャンする
当社が負けている点を、はっきり書いておきます。ひとつはパスワードの設計です。 sDropはすべての送信でパスワードが自動発行され、かけ忘れが起きません。当社のパスワード保護は任意設定なので、設定を忘れればパスワードなしのリンクになります。もうひとつはシンプルさです。 sDropは説明が1枚の画像に収まるほど機能が絞られていて、初めての人でも迷いにくい作りです。機能の多い当社の画面は、初見では選択肢が多く感じられるはずです。2012年から13年以上、無料のまま同じ形で続いていることも正当に評価されるべき点です。
そのうえで当社が優位なのは、容量と柔軟さです。ギガワタスは登録不要で1ファイルあたり333GBまで送れます(sDropの上限が「1回の送信合計」なのに対し、こちらは1ファイルごとの上限です)。通信だけでなく保存時もAES-256で暗号化しています。保存期間は3〜111日から選べ、パスワード保護・ダウンロード回数制限・ワンタイムダウンロード・ウイルススキャン(500MB以下・動画と音声を除く)も登録なしで使えます。法人向けの「ギガワタス for Biz」は1人月550円(税込)から契約でき、30日間はクレジットカードなしで試せます。無料のファイル転送サービスを広く比べたい方は無料ファイル転送サービス14選の比較記事 もあわせてご覧ください。