最終更新日: 2026年8月10日
結論から言うと、データ便は「危険なサービス」ではありません。運営会社がプライバシーマークを取得しており、公式サイトでは「利用するデータセンターがISO27001を取得している」と説明されています。日本のファイル転送サービスの中ではセキュリティ意識が高いほうです。
ただし、無料プランの容量が小さい、ウイルスチェックが公式に明示されていないなど、知っておくべき注意点もあります。
この記事では、ファイル転送サービスの運営者の立場から、データ便のセキュリティ機能を正確に整理し、安全に使うためのポイントを解説します。
この記事はギガワタス(giga-watasu.jp)の運営ブログです。競合サービスについても事実に基づいて解説しています。
この記事のポイント
- データ便は安全 — 運営会社がプライバシーマークを取得。ISO27001は「データセンターが取得」と公式に説明されている
- 「セキュリティ便」は独自の強み — 受信者のDL前に送信者の承認が必要な仕組み
- 注意点は3つ — 無料容量が小さい(2〜5GB)、ウイルスチェックの公式記載がない、保存期間が最大7日
- 大容量ファイルには不向き — 10GB以上のファイルは別サービスの併用がおすすめ
データ便のセキュリティ機能を正確に整理する
まず、データ便に「ある機能」と「ない機能」を正確に整理します。ネット上には不正確な情報も多いため、公式セキュリティページの情報をもとにまとめました。
| セキュリティ項目 | 対応状況 | 補足 |
|---|---|---|
| 通信の暗号化(SSL/TLS) | ○ 対応 | ブラウザとサーバー間の通信は暗号化されている |
| ファイル自体の暗号化(AES-256等) | △ 公式記載を確認できず | 公式に明示されているのはSSL暗号化通信(通信経路)のみ(料金プランのセキュリティ欄はビジネス=専用サーバ、無料=共有サーバといずれも「SSL暗号化通信」表記)。保存ファイル自体の暗号化についての記載は確認できず(2026年8月10日時点) |
| パスワード保護 | ○ 対応 | 自動生成機能あり(8字英数/12字大小混合/12字記号付き) |
| セキュリティ便(受取承認制) | ○ 対応 | 受信者のDL前に送信者の承認が必要。誤送信対策に有効 |
| ダウンロード回数制限 | △ ビジネスプラン以上 | 無料プランでは設定不可 |
| ウイルススキャン | △ 公式記載を確認できず | 公式サイト7ページを確認したが、ウイルスチェックに関する記載が見つからない(2026年8月10日時点)。確認したページは本文で列挙 |
| プライバシーマーク | ○ 取得済み | 運営元の株式会社ファルコが取得 |
| ISO27001 | △ データセンターが取得 | 公式の記載は「データセンターが…ISO27001を取得」(公式セキュリティページ)。データ便の運営会社自身の取得は確認できず(2026年8月10日時点) |
| IPアドレス制限 | △ 公式記載を確認できず | 公式サイトにIPアドレス制限の記載が見つからない(2026年8月10日時点)。アクセス元を限定したい場合は事前に確認が必要 |
| 送信ログ | ○ 対応 | 送信履歴を確認可能 |
| 2要素認証 | △ ビジネスプラン以上 | 無料プランでは利用不可 |
データ便の強みは認証面の情報公開が具体的なことです。ただし、ここは主体を分けて理解する必要があります。公式セキュリティページには「データ便はプライバシーマークの認証を取得し」とある一方、ISO27001については「データセンターは…情報セキュリティマネジメントシステムの認証基準ISO27001を取得しております」と書かれています。
つまりプライバシーマークは運営会社(株式会社ファルコ)、ISO27001はデータ便が利用するデータセンターの認証と読むのが公式記載に忠実です。社内規程でISO27001が求められている場合、調達基準によっては「サービス提供会社そのものが認証範囲に含まれること」を要求されることがあります。データセンターの認証だけでは要件を満たさない可能性があるため、必要な場合は認証範囲と登録番号をデータ便に確認してください。
もう一つの強みが「セキュリティ便」です。通常のファイル転送では、受信者はURLとパスワードさえ知っていればファイルをダウンロードできます。セキュリティ便では、受信者がダウンロードを申請し、送信者がそれを承認するまでダウンロードできません。
つまり、URLが第三者に流出しても、送信者が承認しなければファイルは渡りません。誤送信対策として非常に有効な仕組みです。
また、パスワードの自動生成機能も実用的です。「8字英数小文字」「12字大小混合」「12字記号付き」の3段階から選べるため、ギガファイル便の4桁数字パスワードよりもはるかに強力です。(参考: データ便公式 — セキュリティについて)
データ便の3つの注意点
セキュリティ認証は強いデータ便ですが、利用する前に知っておくべき注意点が3つあります。
注意① 無料プランの容量が小さい(2〜5GB)
データ便の無料プランは2種類あります。
- ライトプラン(会員登録不要): 最大2GB
- フリープラン(会員登録あり): 最大5GB
日常的な書類のやり取りなら十分ですが、動画ファイルや大量の写真データには厳しい容量です。たとえばiPhoneで撮影した4K動画は1分あたり約400MBなので、5GBでは約12分ぶんしか送れません。
10GB以上のファイルを送る場合は、ビジネスプラン(月額330円〜)に加入するか、別のサービスを併用する必要があります。(参考: データ便公式 — 料金プラン)
注意② ウイルスチェックが公式に明示されていない
2026年8月10日に、データ便の公式サイト7ページ(www トップ・サービスサイトトップ・サービス説明・セキュリティ・料金プラン・セキュリティ便・よくあるご質問)を確認しましたが、アップロード時のウイルススキャンに関する記載は見つかりませんでした。
ここは正確に書きます。公式に記載がないことと、機能が存在しないことは同じではありません。記載がないだけで実際には内部的に検査している可能性は否定できませんし、逆に「あるはずだ」と期待して頼るのも危険です。公表されていない以上、利用者としては「ないもの」として運用するのが安全、というのが運営者としての見解です。
実際のリスクはこうです。送信者がウイルスに感染したファイルを気づかずアップロードした場合、サービス側で検知・遮断される保証を確認できないため、受信者が不正なファイルをそのまま受け取ってしまう可能性があります。
対策としては、送信前に自分のPCのウイルス対策ソフトでスキャンすること、受信側もダウンロード後にスキャンすることが必要です。
ファイル転送サービスの運営者として言うと、ウイルスチェックは「あって当たり前」と思われがちですが、実はサーバー側でリアルタイムスキャンを実装するにはコストがかかります。無料サービスでウイルスチェックが公式に案内されていないことがあるのは、こうしたコスト構造も背景にあると考えています(これは運営者としての推測で、特定のサービスが実装していないという意味ではありません)。
注意③ 保存期間が最大7日と短い
データ便の保存期間は1時間〜7日です。ギガファイル便の最大100日、ギガワタスの最大111日と比べるとかなり短いです。
受信者がすぐにダウンロードできる状況ならメリットにもなります(ファイルが長期間サーバーに残らないため、流出リスクが下がる)。ただし、相手の都合に合わせて余裕を持って送りたい場合には不便です。
「週末に送って、月曜に見てもらう」程度なら7日で十分ですが、「来週の会議用に送っておく」には足りないこともあります。
データ便を安全に使う3つのポイント
データ便のセキュリティ機能を最大限に活かすための使い方です。
① パスワード自動生成を活用する
データ便のパスワード自動生成は3段階の強度を選べます。仕事のファイルなら「12字記号付き」を選んでください。自分で考えた短いパスワードより、はるかに安全です。
パスワードは必ずダウンロードURLとは別の経路(LINE、Slack、電話など)で伝えてください。同じメールにURLとパスワードを書くと、メールが流出した時点で両方バレます。
② セキュリティ便を積極的に使う
機密性の高いファイルを送るときは、通常便ではなくセキュリティ便を選んでください。受信者がダウンロードする前に送信者の承認が必要なため、以下のリスクを防げます。
- URLの誤送信(間違った相手に送っても、承認しなければダウンロードされない)
- URLの横流し(第三者がURLを入手しても、送信者の承認なしにはDLできない)
データ便の使い方について詳しくは「データ便の使い方を画像つきで解説」で説明しています。
③ 大容量ファイルは別サービスと使い分ける
データ便の無料プランは最大5GBです。5GBを超えるファイルは、大容量に対応した別のサービスを併用しましょう。
- セキュリティ重視のまま大容量を送りたい → ギガワタス(333GB、AES-256暗号化、無料会員で全機能)
- とにかく容量最優先 → ギガファイル便(300GB、無料・広告あり)
複数サービスの比較は「無料ファイル転送サービス15社を徹底比較」で詳しくまとめています。




