最終更新日: 2026年8月27日
Bizストレージ ファイルシェアは、NTTドコモビジネス株式会社(旧・エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ)が提供する法人向けのファイル転送サービスです。2002年4月10日に「ShareStage ASPサービス」として始まり、2012年に現在の名前へ変わりました。2002年の開始から24年、公式によると1,100社以上・30万ID以上に使われています。
検討している方がいちばん先に確認すべき点を2つ書きます。1つは、1回に送れるファイルが最大2GBまでだということ。契約したディスク容量が1GByteの場合は最大1GBに下がります。動画や図面をそのまま送る用途にはまず足りません。もう1つは、料金が「使う人数」ではなく「ディスク容量」で決まる定額制だということです。いちばん安い1GByteの品目が月額16,500円(税込)で、その中に最大1,000IDが含まれます。人数が多いほど1人あたりが安くなる代わりに、少人数で使うと割高になります。
この記事はギガワタス(giga-watasu.jp)の運営ブログです。当社もファイル転送サービスを提供しているので、Bizストレージ ファイルシェアは競合にあたります。そのうえで先に書いておくと、Bizストレージ ファイルシェアが当社より明確に優れている点が4つあります。2要素認証があること、送信の取り消しに当社のような時間制限が見当たらないこと、稼働率の実績を年度別に公開していること、そして取引先と継続的に使う常設の共有フォルダーを持っていることです。ほかにもあり、本文で挙げていきます。当社はこの4つをいずれも持っていません。第三者認証については、当社はプライバシーマークだけでISO/IEC 27001も27017も27701も未取得です。本記事は2026年8月27日に、公式サービスサイトの全カテゴリ・セキュリティ情報公開シート(2026年7月1日版・全8ページ)・お知らせの全履歴を直接確認し、ISMS-ACとJIPDECの4つの公的登録簿で認証を照合して作成しています。
Bizストレージ ファイルシェアとは?運営会社と成り立ち
Bizストレージ ファイルシェアは、社外とのファイル送受信(ファイル転送)と、社内外で使う共有フォルダー(オンラインストレージ)の両方を1つでまかなうクラウドサービスです。公式のセキュリティ情報公開シートは、その位置づけを「会社での個人向けサービスや無料サービスの利用禁止の代替えとして数多くの企業にご利用いただいております」と説明しています。つまり、社員が勝手に無料サービスを使ってしまう状況を止めるための、会社が用意する受け皿という設計思想です。

※ 出典: Bizストレージ ファイルシェア公式
運営会社について、公式が自分で書いている経緯があります。2025年7月1日に、エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社からNTTドコモビジネス株式会社へ社名が変わりました。設立は1999年、正社員数9,150人(グループ17,200人・2026年6月末現在)、2025年度の売上高は5,530億2,400万円。会社としての規模と継続性は、法人向けサービスを選ぶうえでは大きな安心材料になります。この点は当社(従業員数の桁が違う中小企業です)が逆立ちしても勝てないところなので、先に認めておきます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供元 | NTTドコモビジネス株式会社(2025年7月1日にNTTコミュニケーションズから社名変更) |
| サービス開始 | 2002年4月10日(旧称「ShareStage ASPサービス」/2012年4月3日に現名称へ) |
| サービス種別 | 法人向けファイル転送+共有フォルダー(アプリケーションサービス) |
| 1回の送信上限 | 最大2GB(ディスク容量1GByte契約時は最大1GB) |
| 料金 | 月額16,500円(税込)〜/ディスク容量による定額制 |
| 最低利用期間 | オンライン申込は3カ月/申込書(郵送)は6カ月 |
| 無料プラン | なし(導入検討者向けに2週間の無料お試しのみ) |
| データ保管場所 | 国内の自社データセンター(関東・関西) |
| API | 提供なし(公式FAQで明記) |
| 導入実績 | 1,100社以上・30万ID以上(公式表記) |
出典: Bizストレージ ファイルシェア サービス概要/セキュリティ情報公開シート(2026年7月1日版・PDF)(2026年8月27日確認)
Bizストレージ ファイルシェアの料金と最低利用期間
料金はディスク容量による定額制です。各品目は容量と登録できる最大ユーザー数が違うだけで、機能そのものは全部同じだと公式が明記しています。「上位プランでないと上長承認が使えない」といった機能の出し惜しみが無いのは、素直に良い設計です。
| ディスク容量 | 月額(税込) | 最大ユーザー数 | 申込方法 |
|---|---|---|---|
| 1GByte | 16,500円 | 1,000 | オンライン可 |
| 2GByte | 28,600円 | 2,000 | オンライン可 |
| 3GByte | 42,900円 | 3,000 | 申込書のみ(2GB+追加1GB) |
| 4GByte | 57,200円 | 4,000 | 申込書のみ(2GB+追加2GB) |
| 10GByte | 71,500円 | 10,000 | オンライン可 |
| 100GByte | 104,500円 | 10,000 | オンライン可 |
| 500GByte | 165,000円 | 10,000 | オンライン可 |
| 1TByte | 220,000円 | 10,000 | オンライン可 |
出典: Bizストレージ ファイルシェア 料金/お見積り(2026年8月27日確認)
これに初期設定費用22,000円(税込)が加わりますが、NTTドコモビジネスオンラインショップから申し込むと無料になります。有料オプションは月額で、統計情報が11,000円、アーカイブが22,000円(100GB分のアーカイブ用ディスク込み)、削除データ復活がディスク月額の10%、お問い合わせボタンは無料です。
「月16,500円から」の実質を人数で割ってみる
面白いのは、公式の料金ページがID課金型のサービスとの損益分岐点を自分で計算して載せていることです。原文は「1IDあたり月額540円のサービスでは28ID以上、1IDあたり月額1,800円のサービスでは9ID以上になると、税込16,500円を超えます」となっています。
当社のギガワタス for Bizはまさにこの1ID課金型で、1人あたり月550円(税込)です。同じ計算式を当社の数字で回すと、税抜15,000円 ÷ 税抜500円=30人。つまりおおよそ30人が分かれ目で、それより少なければ当社のほうが安く、それより多ければBizストレージ ファイルシェアのほうが安くなります。500人で使うなら1人あたり月33円という計算になるので、大人数の組織に対しては圧倒的に強い料金体系です。
ただし人数だけで比べると間違えます
1GByteの品目に含まれるのは「1,000IDまで」と「ディスク1GB」の両方です。1,000人で使えても、その1,000人が同時に置いておけるファイルの合計が1GBという意味なので、実際には人数より先に容量が詰まります。1回の送信上限も最大2GBです(1GByte契約なら1GB)。「何人で使うか」ではなく「何をどれだけ送るか」で品目を選ぶ必要があります。アクセス期限が来たファイルは自動削除されて容量が空く仕組みなので、期限を短く運用できるかどうかが実質的な判断材料です。
契約条件も先に知っておいたほうがいい部分です。最低利用期間があります。オンラインショップからの申し込みなら利用開始日の翌月1日から3カ月間、申込書(郵送)なら利用開始日から6カ月間。セキュリティ情報公開シートは「最低利用期間内の解約は、残余期間を請求いたします」と明記しています。解約の受付期限は5営業日前で、手続きは「廃止申込書」をダウンロードして郵送する形です。支払いは請求書払いか口座振替のみで、クレジットカード払い・一括前払い・割引はいずれも無いと公式FAQが答えています。日割り計算も行われず、解約月は月の途中でも1カ月分が請求されます。
Bizストレージ ファイルシェアのログイン画面はどこにあるか
「bizストレージ ログイン画面」「bizストレージ ログイン」という検索が実際に多く、この記事にたどり着く方の中でもいちばん大きな塊です。先に結論を書きます。Bizストレージ ファイルシェアに、全利用者が共通で使うログインページは存在しません。
公式の「お申し込み方法による違い」に書かれているとおり、ログイン先は契約ごとに払い出される専用URLです。オンラインショップから申し込んだ場合は「英数字混在のランダムな6桁を自動付与」され、申込書で申し込んだ場合はお客さま指定の文字を使えます。つまり自社のURLは自社にしか分かりません。検索でたどり着けないのは当然で、次のどれかで確認することになります。
- 社内のシステム管理者に聞くのがいちばん早い。契約時の開通案内に記載されています
- 過去にファイルを受け取ったときの通知メールに残っているURLをたどる
- ブラウザのブックマーク・履歴に残っていないか探す
なお旧ドメインの sharestage.com は今も生きていて、アクセスすると現行の www.ntt.com/bst-sh/ へ転送されます。2012年より前の「ShareStage ASPサービス」時代のURLをブックマークしている方は、そこから現在の公式サイトへは行けますが、自社のログイン画面へは行けません。
もう1つ、実際に検索されている症状に触れておきます。「IPアドレスが許可範囲ではないためログインできません」と表示される場合、これはサービスの障害ではなく、システム管理者が設定したログイン制限が効いている状態です。公式のログイン制限は「設定したグローバルIPアドレスや有効期間、曜日・時間帯のみログインを許可」する機能なので、社外や自宅から接続していたり、許可された時間帯を外れていたりすると弾かれます。社内ネットワーク(またはVPN)から接続し直すか、管理者に許可IPの追加を依頼してください。
マニュアルについても書いておきます。公式FAQは「ご契約いただいたお客さま、および無料お試しをご利用のお客さまに提供しています」と答えており、操作マニュアルは一般公開されていません。「bizストレージ マニュアル」で探しても公開版は出てこないので、管理者経由で入手するのが正しいルートです。ユーザー向けのマニュアルは日本語版と英語版が用意されています。
Bizストレージ ファイルシェアのセキュリティと第三者認証
セキュリティに関する公開資料は、範囲が広く具体的です。特に「ASP・SaaSの安全・信頼性に係る情報開示認定制度」に準拠したセキュリティ情報公開シートを、個人情報の入力なしで誰でもダウンロードできる形で公開しているのは高く評価できます。稼働率の年度別実績まで載っているので、そのまま社内稟議やセキュリティチェックシートの材料に使えます。
| 項目 | Bizストレージ ファイルシェア | ギガワタス |
|---|---|---|
| 通信の暗号化 | ○ SSL(TLS 1.2)・署名アルゴリズムSHA-256 | ○ SSL/TLS |
| 保存時の暗号化 | ○ AES(鍵長は非公開) | ○ AES-256(鍵長を明記) |
| 2要素認証 | ○ アプリまたはメール+バックアップコード | × 提供なし |
| IPアドレス制限 | ○ ログイン制限・ダウンロード制限の両方 | ○ 無料会員以上 |
| パスワード保護 | ○ 自動生成・手動設定の両方 | ○ ゲストも対応 |
| ウイルスチェック | ○ 送受信時(暗号化ファイルは対象外) | ○ ゲストも対象(500MB超・動画・音声は対象外) |
| 監査ログ | ○ 標準は前月1日〜当日/有料オプション(月11,000円)で無期限 | ○ for Bizで1年保管・CSV出力 |
| 稼働率の実績公開 | ○ 2019年度〜2025年度を年度別に公開 | × 公開していない |
| SLA | × 提供なし(公開シートに明記) | × 提供なし |
凡例: ○=提供あり / ×=提供なし。出典: 機能/セキュリティ/品質/セキュリティ情報公開シート/ギガワタス for Biz(2026年8月27日確認)
暗号化について1つだけ補足します。公式は「ファイルはAES(Advanced Encryption Standard)で暗号化して保存」と書いていますが、鍵長(128ビットなのか256ビットなのか)は書かれていません。ログインパスワードについては「非可逆な暗号化方式」で保存とあり、方式は非公開と明記されています。方式を伏せること自体は珍しくありませんが、鍵長まで確認したい場合は営業担当に聞く必要があります。当社はAES-256と鍵長まで書いているので、この1点に限れば当社のほうが記載が細かいことになります。
ウイルスチェックはアップロード時とダウンロード時の両方で動き、検出したらその場で中止します。ZIP・LZH・RARなど6重までの圧縮ファイルの中身も検査し、検出時は管理者・サブ管理者にメール通知したうえでログに「検出日時・ID/メールアドレス・ファイル名・ウイルス名」まで残ります。パターンファイルは1日1回以上更新。ただしパスワード付きZIPのような暗号化ファイルは対象外と明記されています。当社も500MB超・動画・音声が対象外なので、どちらも「全部を検査している」わけではありません。
データセンターは国内の自社データセンター(関東・関西)で、専用建物・免震構造・窒素ガス消火設備・ICカード+生体認証+友連れ防止装置まで公開されています。稼働率の実績は2019年度から2022年度まで100%、2023年度が99.96%、2024年度・2025年度が100%。低い年度を含めて7年分が年度別に公開されています。一方でSLA(サービスレベル保証)は提供していないとシートに明記されており、稼働率は実績であって保証ではない点は押さえておいてください。
認証を4つの公的登録簿で照合した結果
公式は「弊社は個人情報の取り扱いを適切に行う企業として、プライバシーマークの使用を認められた認定事業者です」と書いています。この記述と、実際の公的登録簿を突き合わせました。
| 登録簿 | 照合結果 |
|---|---|
| プライバシーマーク(JIPDEC) | ○ NTTドコモビジネス株式会社/登録番号11470003(枝番11)/有効期間2024年12月10日〜2026年12月9日 |
| ISMS(ISO/IEC 27001) | △ 同社名義で4件(IS 70369/IS 97793/JUSE-IR-446/JUSE-IR-546)。ただし登録範囲に本サービス名の記載なし |
| ISMSクラウドセキュリティ(ISO/IEC 27017) | △ JUSE-IR-446-CS01が1件。範囲は「国内クラウドサービスの提供と運用」で、本サービス名の記載なし |
| ISMS-PIMS(ISO/IEC 27701) | × 全73登録を走査して該当なし |
| ASP・SaaS情報開示認定制度 | ○ 本サービス単位で認定(セキュリティ情報公開シートを公開) |
凡例: ○=登録簿で確認できた / △=組織としての登録はあるが当該サービスを名指しした範囲は確認できず / ×=該当なし。照合先: ISMS認証取得組織検索/ISMSクラウドセキュリティ認証取得組織検索/ISMS-PIMS認証取得組織一覧/プライバシーマーク付与事業者検索
ここは丁寧に書きます。NTTドコモビジネス株式会社はISO/IEC 27001の登録を4件、ISO/IEC 27017の登録を1件持っています。これは事実です。ただし登録範囲を1件ずつ開いて読むと、たとえばJUSE-IR-446の範囲は「①国内コロケーションサービスの提供と運用 ②国内クラウドサービスの提供と運用 ③認証サービスの提供と運用」、IS 70369の範囲は「SI、モバイル、ネットワーク、プラットフォームサービス及びITマネジメントのアウトソーシングサービスにおける営業、設計構築、開発、保守運用…」という書き方で、Bizストレージ ファイルシェアという名前はどこにも出てきません。登録範囲を「Bizストレージ」「ファイルシェア」「ShareStage」で検索しても3つとも0件でした。
さらに、公式のセキュリティ情報公開シート自身が、「認証取得・監査実施」の欄に書いているのはプライバシーマーク11470003(11)だけで、ISMSには触れていません。サービス提供者本人がその欄でISMSを挙げていない以上、外部の当社が「本サービスはISO27001の範囲内です」と断定することはできません。
したがって正確な言い方はこうです。「運営会社はISO/IEC 27001とISO/IEC 27017の登録を持っているが、どの登録がBizストレージ ファイルシェアを直接カバーするのかは公開情報からは特定できなかった」。「未取得」でも「取得済み」でもありません。要件に含まれるなら、営業担当に登録番号と適用範囲を確認してください。
当社の側も書いておきます。当社が持っているのはプライバシーマーク(登録番号10800077-02)だけで、ISO/IEC 27001も27017も27701も未取得です。ですから「認証の面では当社のほうが上」と書くつもりはまったくありません。この軸は、公開情報だけでは優劣を判定できない、というのが正直な答えです。
誤送信対策は上長承認・送信取消・3方式のダウンロード制限
機能一覧を眺めると、容量や速度よりも誤送信対策の作り込みが目立ちます。
- 上長承認: 送信前に上長の承認を必須にできます。上長は宛先・ファイル・本文を確認して承認/否認/保留を選びます。送信者ごとに最大5人の上長を紐づけられ、休暇や異動で承認者が不在になっても止まりません。未処理のまま放置されると毎日自動でリマインドメールが飛びます
- 送信の取り消し: 送信後にURLを無効化できます。取り消し前に「誰が・いつ・何回」ダウンロードしたかをアクセス履歴で確認できます
- ダウンロード制限: パスワード認証/メールアドレス認証(認証コードの有効期限30分)/IPアドレス認証の3方式で、組み合わせも可能です
- 送信先制限・上長供覧・アクセス期限(期限が来ると送信ファイルと送信内容を自動削除)
当社にも上長承認フローと送信取消はありますが、当社の送信取消は「送信後10分以内」に限られます。Bizストレージ ファイルシェアの公式には取り消せる期限についての記載がなく、少なくとも「送信後◯分以内」という制限は書かれていません。この点は相手のほうが自由度が高そうです。「翌日になって間違いに気づいた」というケースに対応できるかどうかは、実務では小さくない差です。上長を5人まで紐づけられる点と自動リマインドも、当社にはありません。
PPAP(パスワード付きZIPをメールで送る運用)の代替になるかという質問には、公式FAQが「はい」と答えています。パスワードを本文とは別経路で通知することを推奨しており、メールアドレス認証やIP認証を組み合わせればZIP暗号化に頼らない受け渡しができます。PPAPをやめる背景についてはPPAPとは何か、なぜ廃止が進んでいるのかにまとめています。




