開発会社のファイル共有|ソースコード・設計書を安全に送る
ビジネス活用2026年6月25日

開発会社のファイル共有|ソースコード・設計書を安全に送る

最終更新日: 2026年6月25日

結論から言うと、開発会社のファイル共有は「機密のかたまり」を社外とやり取りするため、メール添付やチャットへの直貼りでは不十分です。ソースコード・設計書・顧客データ・APIキーは、それ自体が会社の知的財産であり、漏えいすれば取引先の事業にも直結します。必要なのは、①暗号化、②送り先を限定するアクセス制御、③いつ誰に送ったかの記録、④誤送信を防ぐ仕組み、そして⑤DBダンプやビルド成果物といった大容量データも扱えることです。

※ この記事は大容量ファイル転送サービス「ギガワタス」の運営ブログです。開発現場で求められる要件を先に示し、送信方法を中立に比較したうえで、自社サービスのデメリットも明記しています。

開発会社のファイル共有が抱える3つのリスク

受託開発・ソフトウェア開発ならではの難しさ

  • 機密のかたまり:ソースコード・設計書・仕様書・顧客から預かったデータベースなど、漏えいすれば自社と取引先の双方に被害が及ぶ情報を日常的に扱います。
  • 認証情報を「つい」渡してしまう:APIキー・本番サーバーのログイン情報・SSHキーなどを、急ぎだからとチャットにそのまま貼って渡してしまいがちです。一度貼ると履歴に残り続けます。
  • 社外の関係者が多い:クライアント・外注先・フリーランス・多拠点のメンバーなど、やり取りする相手が多く、宛先間違い(誤送信)や、退場した相手が過去ログを読めてしまう状態が起きやすい業務です。

ソースコードや顧客データの誤送信・流出は、情報漏えい事故の典型例です。漏えいの原因と防ぎ方は「ファイル転送で情報漏洩が起きる5つの原因」でも解説しています。

開発のデータを安全に送るために必要なこと

受託開発・ソフトウェア開発の現場で、社外への受け渡しに押さえるべきは次の5点です。

  • 暗号化:通信路と保存時の両方を暗号化し、途中で抜き取られても中身を読み取られにくくする。
  • アクセス制御:送り先を限定し、ダウンロード期限・回数を絞る。パスワードを同じ経路で送るZIPや、権限制限のない公開リンクは避ける。
  • 記録:いつ誰に送り、相手がいつ受け取ったかを残す。事故時の追跡にも、取引先へのセキュリティ説明にも役立つ。
  • 誤送信の防止:宛先間違いを送信前後に止められる仕組み(承認・送信取消)を用意する。
  • 大容量への対応:DBダンプ・検証用データ・ビルド成果物・ログ・画像や動画アセットは、まとめると数GB〜数十GBになる。メールでは送れない大きさを前提にする。

「圧縮しても送れない」「容量オーバーで返ってくる」という場面の対処は「大容量ファイルが送れないときの対処法」も参考になります。

【運営者の本音】APIキーをChatworkやSlackで渡すのは大丈夫?

開発会社に作業を依頼するとき、APIキーや管理画面のログイン情報を渡す場面が必ず出てきます。連絡手段はたいていChatworkやSlackで、急ぎだとつい本文にそのまま貼って渡してしまう。私自身も運営側として、毎回「これで本当に大丈夫なのか」とモヤモヤしてきました。これは事故というほどではないものの、開発まわりで慢性的に起きている実情だと思います。

チャットに認証情報を直貼りするときの注意

  • 履歴に残り続ける:チャットに貼った文字列は、保持設定や権限によっては長期間そのまま残ります。後から消しても、エクスポートや通知に残っている場合があります。
  • 後から参加した人も読める:ルームやチャンネルに後から加わったメンバー、管理者のエクスポート権限を持つ人が、過去の認証情報を閲覧できることがあります。
  • 退場後も手元に残る:相手がメッセージをコピー・スクリーンショットすれば、こちらからは消せません。

現実的な対策は、キーそのものをチャット本文に貼らないことです。ワンタイムで開け、期限・本人確認・ダウンロード回数の制限をかけた経路でキーを渡し、チャットにはURLだけを貼る。そして作業が終わったらキーをローテーション(再発行)する運用にしておけば、万一どこかに残っても被害を抑えられます。短い文字列の機密を相手と1対1で安全に渡す方法は「ID・パスワードを安全に共有する方法」で詳しく解説しています。

開発データを送る方法の比較

ソースコードや成果物を社外へ渡す主な方法を、開発の実務目線で比較します。

開発会社のファイル共有・データ受け渡し方法の比較
方法 暗号化・記録 大容量 開発での向き
クラウド型ファイル転送
DLリンクを通知
○ 通信+保存時暗号化・送受信記録 ○ 数百GB級も可 成果物・DBダンプ・顧客データを社外やクライアントに渡すのに向く
Gitリポジトリ
GitHub・GitLab等
○ 履歴・差分管理(通信保護・アクセス制御はGitHub/GitLab等のホスティング側) △ 大容量バイナリは不向き(LFS等が必要) ソースコードのバージョン管理に最適。納品物そのものの受け渡しとは役割が異なる
オンラインストレージ共有
Drive等で共有
△ 共有設定しだいで誰でも閲覧に ○ 大容量可 常時の共同作業向き。都度の機密受け渡しは公開設定ミスに注意
PPAP・メール添付
添付+別送パスワード
△ 同一経路でのPW別送は盗聴に弱く受領記録も残りにくい × 容量制限に引っかかる 非推奨。容量・記録・誤送信対策のいずれにも弱い
チャット直貼り
Slack・Chatwork等
△ 履歴に残り、権限しだいで第三者も閲覧 × 大容量は送れない 連絡には便利だが、APIキー等の機密の受け渡しには不向き

比較は2026年6月時点の一般的な傾向です。脱PPAPの選び方は「脱PPAPソリューション比較」を参照してください。

整理すると、ソースコードの管理はGit、社外への大容量・機密の受け渡しはクラウド型ファイル転送と役割を分けるのが現実的です。クラウド型のなかでも、暗号化・記録・誤送信対策がそろったものを選ぶのが安全です。

ギガワタス for Biz の開発現場での使いどころ

当社が運営する「ギガワタス」も、クラウド型ファイル転送の一つです。最大333GBの大容量に対応し、法人向けのギガワタス for Bizが、開発会社の受け渡しの課題にどう応えるかを整理します。

ギガワタス for Biz の開発現場での主な活用機能
課題 for Biz の対応
ソースコード・顧客データの保護 通信SSL/TLS+保存時AES-256暗号化、ダウンロードパスワードの必須化、プライバシーマーク取得済み
送り先と閲覧の限定 受取人の本人確認、ダウンロード回数・保存期間の上限、宛先ドメインのホワイトリスト、IP制限(組織ポリシーで一括強制)
いつ誰に送ったかの記録 送信履歴・操作ログを記録し1年間保管。CSVで出力でき、取引先へのセキュリティ説明や監査に使える
誤送信の防止 送信前の上長承認フローで宛先間違いを防ぎ、送信後10分間の送信取消で誤送信時の被害を抑える
大容量の成果物・データ 最大333GBまで送信でき、DBダンプ・ビルド成果物・検証データもまとめて受け渡せる

開発の現場でとくに事故が多いのが「誤送信」「退場した関係者が過去データにアクセスできる状態」です。for Bizでは、送信前の上長承認送信後10分間の取り消しに加え、ダウンロード期限・回数の上限を組織ポリシーとして一括で強制でき、人的ミスや権限の取り残しによるリスクを抑えやすくします。

ギガワタス for Biz の監査ログエクスポート画面 — 送信履歴・操作ログ・ログイン履歴・ダウンロード履歴をCSVでまとめて出力できる
「いつ誰に何を送ったか」の記録をCSVでまとめて出力でき、取引先へのセキュリティ説明や監査に活用しやすい

料金は1人 月550円(税込・年額5,500円)、初期費用0円・1名から、カード登録不要の30日間無料トライアルで試せます。

正直なデメリット(for Biz が向かない場合)

  • バージョン管理やCIとの連携機能はありません。ソースコードの差分管理・レビュー・自動デプロイが必要なら、GitHubやGitLabなどの開発基盤が適します。for Bizは安全な「受け渡し」に特化しており、開発基盤を置き換えるものではありません。
  • ISMAP(政府情報システムのクラウド登録制度)には未登録です(2026年6月時点・当社確認)。官公庁案件で登録クラウドを必須とする要件には、現時点で適合しません。

【シーン別】開発現場でのファイル受け渡しの使い分け

開発現場のシーン別 おすすめの受け渡し方法
こんなとき おすすめ 理由
ソースコードを共同で開発・管理する Gitリポジトリ 差分・履歴・権限を管理でき、レビューもしやすい
納品物・DBダンプ・大容量データを社外に渡す クラウド型ファイル転送 大容量に対応し、暗号化・記録・期限制御ができる
APIキーや認証情報を相手に渡す ワンタイムで渡す方法+使用後ローテーション チャット履歴に残さず、万一に備えて再発行できる
外注先・フリーランスから素材を回収する クラウド型ファイル転送(受取フォルダ) 相手は登録不要で提出でき、受領を1か所に集約・記録できる

製品選定の比較軸は「法人向けファイル共有サービスの選び方」で、機密データ全般の扱いは「機密ファイルの安全な送り方」で詳しく解説しています。

よくある質問

Q. APIキーやパスワードをSlackやChatworkで送ってもよいですか?

おすすめしません。チャットに貼った認証情報は、保持設定や権限によっては履歴に残り続け、後から参加したメンバーや管理者が閲覧できることがあります。キー本体はワンタイムで開ける安全な経路で渡し、URLだけをチャットに貼る、作業後にキーを再発行する、といった運用が安全です。

Q. ソースコードの受け渡しにはGitとファイル転送、どちらを使うべきですか?

役割が異なります。継続的な開発・バージョン管理はGitリポジトリ(GitHub・GitLab等)が最適です。一方、納品物の一括引き渡しや、大容量のDBダンプ・ビルド成果物・顧客データを社外に渡す場面では、暗号化・記録・期限制御ができるクラウド型ファイル転送が向きます。

Q. 数十GBのDBダンプや検証データを送る方法は?

メール添付では送れないため、大容量に対応したクラウド型ファイル転送を使います。ギガワタスは最大333GBまで送信でき、ダウンロード期限・回数の制限やパスワード保護もかけられます(for Bizでは組織ポリシーとして期限・回数の上限を強制できます)。送受信の記録も残るため、取引先への説明にも使えます。

Q. 退場した外注先が過去のファイルにアクセスできないようにできますか?

ダウンロード期限・回数を絞り、保存期間の上限を組織ポリシーで強制しておけば、期限後はアクセスできなくなります。ギガワタス for Bizでは、これらの上限を組織単位で一括設定でき、権限の取り残しによるリスクを抑えられます。

まとめ

開発会社のファイル共有は、知的財産・顧客データの保護誤送信・権限取り残しの防止を、大容量を前提に両立させる必要があります。とくにAPIキーなどの認証情報をチャットに直貼りする運用は、慢性的なリスクとして見直す価値があります。

  • ソースコードの管理はGitリポジトリ
  • 大容量の成果物・機密データの社外受け渡しは暗号化・記録のあるクラウド型ファイル転送
  • APIキー・認証情報はワンタイムで渡し、使用後にローテーション

まずは、社外への成果物の受け渡しや外注先からの素材回収から、暗号化・記録のできる方法に切り替えるのが現実的な第一歩です。無料から試せるサービスで、自社の運用に合うか確かめてみてください。

この記事の情報は2026年6月時点のものです。各サービスの仕様や料金は変更される場合があります。最新の仕様は各サービスの公式サイトをご確認ください。認証情報・機密データの取り扱いは、自社のセキュリティ規程や取引先との契約に従ってください。

吉岡 崇

吉岡 崇

株式会社グッドヒルシステムズ 代表取締役

ダビングコピー革命オモイデ+PLUSギガワタスシステム開発革命等のサービスを提供しています。

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