Microsoft 365で脱PPAPする方法|安全な代替手順
セキュリティ2026年6月18日

Microsoft 365で脱PPAPする方法|安全な代替手順

最終更新日: 2026年6月16日

結論から言うと、Microsoft 365(旧Office 365)を使っているなら、いますぐPPAPをやめられます。OneDriveの共有リンクに切り替えるだけで「パスワード付きZipを別送」をなくせます。共有リンクへの切り替えなら、多くの法人プランで追加コストなしに始められます。ただし、社外の取引先へ一回で大容量を渡す用途や、ダウンロード履歴・IP制限まで求めるなら、M365だけでは足りない場面があります。

この記事では、プライバシーマークを取得してファイル転送サービスを運営する立場から、Microsoft 365の中だけで脱PPAPする3つの方法と、その限界を正直に解説します。

※ この記事は大容量ファイル転送サービス「ギガワタス」の運営ブログです。自社サービスのメリットだけでなく、Microsoft 365で完結できる範囲も正直にお伝えします。

そもそもなぜPPAP(パスワード付きZip)をやめるべきか

PPAPとは「パスワード付きZipファイルをメールで送り、パスワードを別のメールで送る」やり方です。問題は2つあります。

  • 同じ経路で送るので意味が薄い。盗聴できる相手なら、Zipもパスワードも両方手に入ります
  • 古いZipの暗号方式には弱いものがある。さらにパスワード付きZipは、受信側のウイルスチェックで中身を検査しにくいという問題もあります

2020年に政府がPPAP廃止を打ち出して以降、日立・NTTデータ・IIJなど大手が次々と廃止しました。受信側がパスワード付きZipを自動で拒否する企業も増えています。「送ったのに相手が受け取れない」という事故を防ぐ意味でも、脱PPAPは待ったなしです。

PPAPの仕組みや歴史をくわしく知りたい方は「PPAPとは|意味・なぜ日本だけ広まったか」を、ツールを問わない進め方は「脱PPAPの進め方|5ステップ」をご覧ください。本記事はMicrosoft 365を使う会社向けに、具体的な操作にしぼって解説します。

Microsoft 365で脱PPAPする3つの方法【全体像】

Microsoft 365には、添付Zipの代わりに使える機能が標準でそろっています。まず3つの方法を一覧で確認しましょう。

Microsoft 365で脱PPAPする3つの方法の比較
方法 仕組み 必要なライセンス 向く場面
① OneDrive・SharePointの共有リンク 添付の代わりにクラウド上のファイルへリンクを送る OneDriveを含むBusiness Basic以上など 日常のファイル送付全般
② Teamsで共有 チャットやチャネルにファイルを置いて共有 Teamsを含むプラン 社内・継続的なやり取り
③ 暗号化メール(OME) メール本文と添付をまるごと暗号化して送る E3・E5系やBusiness Premiumなど(Basic/Standardでも一部可) 機密文書をメールで送りたいとき

一番手軽で、追加費用もかからないのが①の共有リンクです。まずはここから始めるのがおすすめです。

方法① OneDrive・SharePointの共有リンクで送る

もっとも簡単な脱PPAPは、「ファイルを添付する」のをやめて「リンクを送る」に変えることです。ファイルはOneDrive(個人領域)やSharePoint(部署の共有領域)に置き、相手にはダウンロード用のリンクだけをメールで送ります。

Outlookなら、添付しようとしたときに「OneDriveにアップロードして共有」を選ぶだけです。手順は次の3ステップです。

  1. ファイルをOneDriveまたはSharePointにアップロードする
  2. ファイルを右クリックして「共有」または「リンクのコピー」を選ぶ
  3. リンクの設定で、必要に応じて有効期限・パスワード・「表示のみ(編集不可)」を指定し、相手にリンクを送る(使える範囲はプランや管理者設定により異なります)

ここでのポイントは、リンクに有効期限とパスワードを付けられることです。パスワードはメールとは別の手段(電話やチャット)で伝えれば、PPAPの「同じ経路で送る」問題を解消できます。閲覧期限を切れば、渡しっぱなしも防げます。

知っておきたいポイント

共有リンクの有効期限やパスワード設定は、プランや管理者のテナント設定によって使える範囲が変わります。また社外への共有そのものを、情報システム部門がポリシーで制限していることもあります。「社外リンクが作れない」ときは、まず管理者に外部共有の可否を確認してください。

相手側にMicrosoftアカウントがなくても、ワンタイムのパスコードをメールで受け取って開けるケースが多く、GmailやYahoo!メールの相手でもダウンロードできます。

方法② Teamsでファイルを共有する

日常的にやり取りする相手なら、Teamsでの共有も有効です。Teamsにアップロードしたファイルは、自動的にクラウド(OneDriveやSharePoint)に保存され、メール添付は不要になります。

  • チャットに添付したファイル → 送信者のOneDriveに保存される
  • チャネルに投稿したファイル → そのチームのSharePointに保存される

社外の人とTeamsで共有するには、ゲストアクセスや、SharePoint・OneDriveの外部共有設定を管理者が有効にしておく必要があります。ここが許可されていないと社外共有はできません。Teamsの容量制限や大容量の送り方は「Teamsで大容量ファイルを送る方法」でくわしく解説しています。

方法③ 暗号化メール(OME)で送る

「どうしてもメールで送りたい」「リンクではなくメールそのものを暗号化したい」場合は、暗号化メール(現在のMicrosoft Purview Message Encryption。旧称・通称OME)が使えます。本記事では便宜上OMEと呼びます。

Outlookでメールを作成するとき、「オプション」から「暗号化」を選ぶと、本文と添付ファイルがまとめて暗号化されます。受信者は、ワンタイムパスコードやMicrosoftアカウントで本人確認をしてからメールを開きます。パスワード付きZipのように別送する手間がなく、相手の操作も簡単です。

OMEが使えるライセンスは、E3・E5系(A5・G5・F5などを含む)やBusiness Premiumなどです。Business Basic / Standardでも暗号化送信に対応する場合があるため、自社で使えるかは管理者画面またはMicrosoftの公式ライセンスページで確認してください。暗号化はAzure Rights Managementを基盤とした仕組みで、本人確認をした受信者だけがメールを開けます。

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Microsoft 365だけでは届かない場面【正直な限界】

Microsoft 365は社内のコラボレーションに強く、上の3つの方法で日常の脱PPAPはほぼ完結します。一方で、社外の取引先へ「一回だけ」大容量を渡すような使い方では、次のような限界があります。

  • 社外共有がポリシーで止められていると、リンク共有そのものが使えない
  • 数十GB級の大容量を取引先に渡すのは、相手の環境次第で重く、開いてもらいにくい
  • 相手からファイルを送ってもらう「受取フォルダ」や、ダウンロード元を縛るIP制限誰がいつダウンロードしたかの履歴は、標準では設定が複雑だったり上位ライセンスが必要だったりする
  • 相手が非Microsoft環境(Google Workspaceなど)だと、Microsoft環境に比べて受け取りに手間が増えることがある

こうした「社外への大容量の受け渡し」を補うのが、ファイル転送サービスです。当社が運営するギガワタスの法人プランは、最大333GBの送受信に加えて、IP制限・ダウンロード履歴・受取フォルダ・パスワード/期限設定を標準で備えています。暗号化はAES-256に対応し、プライバシーマークも取得済みです。

ギガワタスのIP制限設定画面 — 管理画面からIPアドレスまたはCIDRブロックを追加し、特定の事務所からのみダウンロードを許可できる
ギガワタス法人プランのIP制限設定。ダウンロード元を取引先のオフィスなどに限定できる
ギガワタスの管理画面(マイページ) — 送信したファイルのダウンロード回数や保存期限を一覧で確認できる
送信履歴の管理画面。誰がいつダウンロードしたかを追える

使い分けの考え方はシンプルです。

Microsoft 365とギガワタス法人プランの使い分け
項目 Microsoft 365 ギガワタス法人プラン
得意な用途 社内の共同編集・継続的なやり取り 社外への一回の大容量受け渡し
最大容量 クラウド容量に依存 最大333GB
受取フォルダ(相手から受け取る) △ ファイル要求機能あり・設定に依存 ○ 標準対応
IP制限 △ 上位プラン・複雑 ○ 標準対応
ダウンロード履歴 △ プラン依存 ○ 標準対応
社外の相手の手軽さ ○(環境による) ○ URLベースで案内しやすい

つまり、社内コラボはMicrosoft 365、社外への大容量の受け渡しはギガワタスと役割で分ければ、どちらも無理なく脱PPAPを進められます。

ツールを決めたら、あとは社内に定着させる番です。現状の棚卸し → 代替手段の選定 → 運用ルール決め → 取引先への告知 → 段階移行、という流れで進めます。各ステップの具体的な進め方は「脱PPAPの進め方|5ステップ」に、法人向けのサービス選びは「法人向けファイル共有サービスの選び方」にまとめています。

よくある質問

Q. Office 365で、無料(追加費用なし)でPPAPをやめられますか?

はい。多くのプランに標準で含まれるOneDrive・SharePointの共有リンクや、Teamsでの共有なら、追加費用なしで始められます。まずは添付をやめてリンク送付に切り替えるのが、いちばん手軽な第一歩です。暗号化メール(OME)はE3・E5系やBusiness Premiumなどで使え、Business Basic / Standardでも対応する場合があります。

Q. 受け取る相手にMicrosoftアカウントは必要ですか?

必要ないケースが多いです。共有リンクも暗号化メールも、ワンタイムのパスコードをメールで受け取って本人確認すれば開けます。GmailやYahoo!メールを使う取引先でもダウンロードできます。

Q. Exchange Onlineに「自動でZipを暗号化する」設定はありますか?

標準では用意されていません。トランスポートルールで似たことはできますが、設定が複雑なうえ、Zip暗号の弱さというPPAPの本質的な問題は解決しません。自動Zip化を作り込むより、共有リンクや暗号化メールへ移行するほうが安全で手堅い方法です。

Q. 大容量ファイルもMicrosoft 365で送れますか?

OneDrive経由なら大きなファイルもリンクで送れますが、数十GB級になると相手の環境次第で受け取りに時間がかかります。取引先への一回限りの大容量受け渡しは、ギガワタスの法人プランのような転送サービスを併用すると安心です。

まとめ

Microsoft 365を使っているなら、脱PPAPはすぐ始められます。

  • まずはOneDrive・SharePointの共有リンクに切り替える(追加費用なし・有効期限とパスワードで安全に)
  • 継続的なやり取りはTeams、メールそのものを暗号化したいなら暗号化メール(OME)
  • 社外への一回の大容量・受取フォルダ・IP制限・DL履歴が必要なら、ギガワタスの法人プランを併用する

「社内はMicrosoft 365、社外はギガワタス」と役割分担すれば、無理なく安全に脱PPAPを実現できます。まずは無料で送り心地を試してみてください。

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この記事の情報は2026年6月時点のものです。Microsoft 365の機能・プラン要件は変更される場合があります。最新情報はMicrosoft公式サイトをご確認ください。

吉岡 崇

吉岡 崇

株式会社グッドヒルシステムズ 代表取締役

ダビングコピー革命オモイデ+PLUSギガワタスシステム開発革命等のサービスを提供しています。

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