最終更新日: 2026年8月26日
結論から言うと、ギガファイル便は会社で使えます。しかも業務利用でも料金はかかりません。公式のよくある質問「会社・ビジネス・個人で恒久に利用する場合は利用料金はかかりますか?」に対して、「商業的に利用される場合でも、GigaFile便のサービスはすべて無料となっており、有料のサービスはございません」と明記されています(2026年8月14日確認)。商業利用を想定した質問に運営会社が正面から答えているため、業務で使うこと自体が規約違反になる、といった心配は不要です。
つまり争点は「使えるかどうか」ではなく、自社の情報セキュリティポリシーを満たせるかどうかです。個人情報や契約情報を含まない社内資料を一時的に送る程度なら実務上の問題は小さい一方、取引先への機密データ送信や顧客情報を含むファイルのやり取りでは、以下の5点が稟議や情シス審査で必ず論点になります。
この記事では、ファイル転送サービス「ギガワタス」を運営するプライバシーマーク取得企業の代表として、同業の視点から、ギガファイル便を業務で使ってよいかの論点を正直に解説します。
この記事はギガワタス(giga-watasu.jp)の運営ブログです。同業サービスとして事実に基づいて解説しています。
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ギガファイル便そのものが安全かどうか(ウイルス・暗号化・情報漏洩)を知りたい方は「ギガファイル便は安全?ウイルス・セキュリティの実態」に詳しくまとめています。本記事は「会社・法人・ビジネスで使ってよいか」という業務判断だけを扱います。
ギガファイル便を会社で使うときの5つの論点
ギガファイル便は個人利用には十分なサービスです。しかし法人が業務で使う場合、以下の5つが問題になります。

ギガファイル便を会社で使うときの5つの論点
| 論点 |
影響度 |
内容 |
| パスワード未設定だとURLだけでDL可能 |
高 |
パスワードなしだとURLだけでダウンロードできる |
| 「誰が」ダウンロードしたか追えない |
高 |
履歴機能はあるが、記録されるのは日時までで受信者は残らない |
| プライバシーマークを確認できない |
中 |
付与事業者検索で取得を確認できず(未取得と断定はしない) |
| 無料のままだと広告が表示される |
中 |
月198円〜の有料プランで非表示にできるが、タイアップ広告は残る |
| 法人向けSLA・契約の記載を確認できない |
中 |
稼働率保証や法人契約に関する記載が公式サイトに見当たらない |
それぞれ詳しく解説します。
論点①: パスワードを設定しないと、URLだけでダウンロードできる
ギガファイル便のダウンロードURLは、パスワードを設定していなければ、URLを知っている人なら誰でもアクセスできます。URLが第三者に渡ると、その第三者にもファイルを取得される可能性があります。
メールの誤送信、チャットの誤爆、ブラウザ履歴の共有。URLが漏れる経路は意外と多くあります。検索エンジンに載って誰でも見つけられるわけではありませんが、URLを入手した第三者なら誰でも取得できる状態であることは変わりません。業務ファイルを扱ううえでは見過ごせない性質です。
パスワード設定は可能ですが、4桁の半角英数字のみです。総当たり攻撃への耐性は高くありません。
論点②: 「誰が」ダウンロードしたかを追えない
ここは正確に書きます。ギガファイル便に履歴機能はあります。会員登録すればアップロード履歴・ダウンロード履歴を閲覧でき、しかも公式の会員向けサービス説明によれば、これは有料プランではなく無料会員の機能です。保存期間は1年間と明記されています。
問題は、記録される中身です。同じページに但し書きがあります。
「アップロード履歴やダウンロード履歴でご確認いただけるのはファイル名・ダウンロードURL・保持期限・アップロードまたはダウンロードを行った日時です」(member.gigafile.nu/2026年8月14日確認)
つまり「いつ落とされたか」までは分かりますが、公式に案内されている利用者向けの履歴項目には、受信者のアカウントやIPアドレスは含まれていません。ダウンロードURLを知っている人なら誰でも取得できる仕組みのため、そもそも受信者を識別する手順が利用の流れに存在しないことが背景にあります。
運営会社がシステム内部でどこまで記録しているかは公開情報からは分かりません。ここで問題にしているのは、利用者が自分で確認できる履歴では「誰が」を特定できない、という点です。
これが問題になるのは、情報漏洩が発覚した後です。「取引先のA社だけに送ったはずのファイルが、なぜ第三者の手に渡ったのか」を調べようとしても、履歴から読み取れるのは「その日時にダウンロードが1回あった」という事実までです。メールログや端末のログなど社内の別の記録と突き合わせる余地はありますが、ファイル転送サービス側の履歴だけでは被害範囲の特定も漏洩経路の切り分けも難しくなります。
プライバシーマーク取得企業の代表として実務的に言うと、監査や事故報告で求められるログの粒度は、組織や扱うデータによって変わります。すべての監査が「いつ・どこからダウンロードされたか」まで要求するわけではありません。ただ、個人情報を含むファイルを扱う場面では、日時だけの記録では説明材料が足りなくなることが少なくありません。自社の基準に照らして判断してください。
論点③: プライバシーマークを確認できない
ギガファイル便を運営するのは株式会社ギガファイル(GigaFile Inc)です。この社名で公的な名簿を引くと、プライバシーマークの取得は確認できませんでした。JIPDEC(日本情報経済社会推進協会)のプライバシーマーク付与事業者検索を「ギガファイル」「GigaFile」の両表記で検索して該当0件(2026年8月26日確認)。同じ手順で当社「株式会社グッドヒルシステムズ」を検索すると1件ヒットするため、検索の取りこぼしではありません。あわせてISMS-AC(ISMS認証取得組織検索)も引きましたが、こちらも該当0件でした。
ただし、この2つの検索で分かるのは「国内の登録簿では確認できない」ということまでです。とくにISO/IEC 27001は海外の認定機関を通じて取得した場合、国内のISMS-AC登録簿には載りません。ギガファイル便の公式サイトにも認証取得の記載は見当たりませんが、当記事では「未取得」ではなく「公開情報では確認できない」と扱います。
プライバシーマークは、個人情報の取り扱いが適切であることを第三者が審査・認証する制度です。取得していないこと自体が違法でも危険でもありません。また、ISMS(ISO/IEC 27001)など他の認証を取得している可能性までは、この検索で分かるわけではありません。それでも「プライバシーマークによる第三者認証を確認できない」という事実は、第三者認証を選定要件にしている企業では稟議の論点になります。
取引先が「プライバシーマーク取得企業のサービスを使ってください」と指定するケースは増えています。特に大手企業や官公庁との取引では、認証を確認できないサービスは選択肢から外されることがあります。
論点④: 無料のままだと広告が表示される
ギガファイル便は広告収入で運営されています。ダウンロードボタンの近くに広告バナーが表示されるため、操作を間違えやすい構造です。実際に、広告バナーとダウンロードボタンが近い位置にあるため操作を間違えた、という理由でギガワタスに乗り換えたユーザーもいます。
ただし通常の広告は、有料プランで表示範囲を縮小できます。2026年1月に個人向けの有料プランが新設され、公式の会員向けサービス説明に条件が明記されています(2026年8月14日確認)。
ギガファイル便の有料プランと広告非表示の範囲
| プラン |
月額(税込) |
広告が消える範囲 |
| 無料会員 |
0円 |
通常広告は非表示にならない (履歴の閲覧は無料会員でも可能) |
| スタンダード |
198円 |
自分のアップロード/ダウンロード画面 |
| プレミアム |
999円 |
上記+転送相手のダウンロード画面 |
取引先の画面に出る通常広告を減らしたい、という理由であれば、月999円のプレミアムが選択肢になります。公式も同プランを「企業・法人利用や、ギガファイル便の操作に不慣れな方へファイルを送る際にも安心してご利用いただけるプラン」と位置づけています。ただし後述のとおり、これでも広告がゼロになるわけではありません。
ただし、公式が同じページで明記している注意点が3つあります。稟議に出す前に確認してください。
- タイアップ広告は残る — 「ギガファイル便が不定期に実施するタイアップ広告は、加入後も引き続き表示されます」と明記されています。「完全に無広告になる」わけではありません
- iOSアプリは対象外 — 「当社の提供するギガファイル便iOSアプリでは、これらの会員向けサービスを一切ご利用いただけません」。広告なし機能はブラウザ版限定です
- GIGAFILE FLY は対象外 — ウェブアルバム機能は広告なし機能の対象外です
なお、広告そのものより実務で問題になりやすいのは、無料ファイル転送サービスでは表示される広告の内容をサービス側が完全には制御できず、業務にふさわしくない広告が受信者の画面に出る可能性がある点です。
論点⑤: 法人向けSLA・契約の記載が確認できない
ここは「無い」と断定せず、確認できた範囲で書きます。2026年8月14日時点で、ギガファイル便の公式サイト・会員向けサービス説明・運営会社サイトのいずれにも、SLA(稼働率保証)、法人向けサポート窓口、法人契約の締結に関する記載は見当たりませんでした。有料プランの説明も、記載されているのは広告非表示・履歴閲覧・同時ログインといった機能面のみです。
「記載が無い=提供が無い」とは限りません。ただし稟議や情シス審査で必要なのは提示できる根拠です。「公式サイトに書かれていない」時点で、担当者は「障害時にどう保証されるのか」を説明する材料を持てません。
実際、2026年7月6日9時頃にギガファイル便でアクセス障害が発生し、復旧の案内が出たのは7月8日でした(運営会社が障害の報告と復旧の報告を公開)。経過を公開して復旧まで報告する対応は、無料サービスとして誠実です。ただし、納期の迫った業務プロセスを、復旧時期の保証が示されていないサービスに依存するかどうかは別の判断になります。
実際に会社で禁止されるケース
2019年1月、大手ファイル転送サービス「宅ふぁいる便」で約480万件の個人情報が漏洩する事故が発生しました(ITmedia報道)。宅ふぁいる便はその後2020年3月にサービスを終了しています。この事件をきっかけに、無料ファイル転送サービスの利用を禁止する企業が急増しました。
現在も、特に以下のような分野では無料ファイル転送サービスの利用が制限されているケースが多く見られます(業界全体に共通するルールがあるわけではなく、企業・組織ごとの判断です)。
- 金融・保険 — 監督官庁の指導によりデータ管理が厳格
- 医療・製薬 — 患者情報の取り扱いに厳しい規制
- 官公庁・自治体 — 調達仕様や情報セキュリティポリシーで第三者認証などを要件とする場合がある
- 大手企業全般 — 情シス部門がホワイトリスト方式でサービスを制限
情シス部門が無料のファイル転送サービスを審査するとき、判断材料としてよく挙がるのは次の3つです。3つすべてを必須要件とする共通基準があるわけではなく、どれを重く見るかは組織によって違います。
- 暗号化方式 — SSL/TLSだけか、ファイル自体も暗号化(AES-256等)するか
- ログ管理 — 誰がダウンロードしたかまで追えるか
- 第三者認証 — プライバシーマークやISMS認証を取得しているか
ギガファイル便は、①ファイル自体の暗号化は公式に記載が確認できず、②履歴はあっても受信者が記録されず、③プライバシーマークは付与事業者検索で確認できません。この3つをすべて必須要件にしている組織では、審査で「利用不可」と判断される可能性があります。逆に、暗号化やログの要件が緩い組織、あるいは送信前に自分でファイルを暗号化するなどの代替手段がある組織では、論点にならないこともあります。
それでもギガファイル便を使うなら — 最低限やるべき4つの対策
「社内ルール的にギガファイル便しか選択肢がない」「予算がつかない」という場合もあるでしょう。その場合、まず①〜③を必ず徹底してください。④は、取引先に見える画面の広告が問題になるときだけ検討すれば十分です。
対策①: パスワードを必ず設定する
ギガファイル便はパスワードなしでもファイルを送れますが、業務利用なら必ず設定しましょう。パスワードはダウンロードURLとは別の手段(電話、別のメール等)で伝えるのが鉄則です。
ただし前述の通り、ギガファイル便のパスワードは4桁の半角英数字のみです。セキュリティとしては最低限のレベルであることは認識しておいてください。
対策②: 保存期間を最短にする
ギガファイル便は3日〜100日から7種類の保持期限を選べます(公式サイトの記載・2026年8月14日確認)。既定値は7日です。業務ファイルは最短の3日に設定し、相手がダウンロードしたら速やかに削除しましょう。
ファイルがサーバーに存在する期間が長いほど、漏洩リスクは高まります。
対策③: 削除キーを控えておく
アップロード時に発行される削除キーを必ずメモしてください。相手のダウンロード完了後にファイルを手動で削除すれば、リスクを最小限に抑えられます。
対策④: 業務で使うなら有料プランを検討する
同業として正直に書きます。目的別に整理すると次のとおりです。
- 送信履歴を残したいだけ — 無料の会員登録で足ります。課金は不要です
- 自分の画面の広告を消したい — スタンダード(月198円)
- 取引先の画面の広告も消したい — プレミアム(月999円)
加入は会員登録とクレジットカード決済の2ステップで、初期費用はかかりません。広告の見え方だけが課題なら、他社サービスへ乗り換えるより手間もコストも小さいケースは十分あります。
ただし、有料プランで増えるのは広告の非表示範囲・同時ログイン台数のほか、「今すぐ再生」やファイル名のフィルタ処理といった利便性の機能です。アップロード履歴・ダウンロード履歴の閲覧は、前述のとおり無料会員でも利用できます。一方で、ファイル自体の暗号化、受信者の特定、IPアドレス制限、第三者認証といった情シス審査で問われる項目は、有料にしても追加されません。
ここまでの対策はあくまで「リスクを減らす」ものです。受信者を特定できない、ファイル自体の暗号化が公式に確認できない、プライバシーマークを公開情報で確認できないという根本的な課題は、有料プランに加入しても残ります。
法人なら知っておきたいファイル転送サービスの選び方
「無料のファイル転送サービスは全部ダメなのか?」というと、そうではありません。無料でもセキュリティ機能が充実したサービスは存在します。
以下は、ギガファイル便とギガワタス(無料会員)の機能を比較した表です。
ギガファイル便 vs ギガワタス(無料会員)— 法人利用の視点で比較
| 比較項目 |
ギガファイル便 |
ギガワタス(無料会員) |
| 料金 |
無料 (広告非表示の有料プラン198円/999円あり) |
無料(メールアドレス登録のみ) |
| 最大送信容量 |
300GB |
333GB |
| 暗号化方式 |
SSL/TLS(通信の暗号化) ファイル自体の暗号化は公式に記載なし |
AES-256 + SSL/TLS(通信+ファイル自体) |
| ウイルススキャン |
○ あり |
○ あり |
| ダウンロード履歴 |
△ 一部あり (ファイル名・URL・日時まで) |
○ 日時・IPアドレス・地域・ブラウザを記録 (本人の氏名は特定不可) |
| IPアドレス制限 |
△ 公式の機能説明に記載なし |
○ あり |
| プライバシーマーク |
△ 確認できず (JIPDEC付与事業者検索で該当なし) |
○ 取得済み |
| 広告 |
無料はあり 198円は自分の画面、999円は転送相手の画面まで通常広告を非表示 (タイアップ広告等は残る) |
無料プランは自社広告あり |
※ 比較データの最終確認日: 2026年8月14日。ギガファイル便の情報は公式サイト・会員向けサービス説明・公式FAQ、プライバシーマークはJIPDEC付与事業者検索で確認しています。最新の機能・料金は各公式サイトでご確認ください。
ポイントは、ギガワタスの無料会員はメールアドレスの登録だけで全機能が使えることです。AES-256暗号化・ウイルススキャンは登録不要のゲストでも使え、IPアドレス制限・ダウンロード履歴まで無料会員なら追加料金なしで利用できます。
ここは粒度をそろえて書きます。ギガワタスのダウンロード詳細履歴には、ダウンロード日時・ダウンロード元のIPアドレス・地域(国・都市)・ブラウザ情報・ダウンロード回数が記録されます。ギガファイル便の履歴が「ファイル名・URL・保持期限・日時」までであることと比べると、アクセス元をどこまで追えるかに差があります。
ただし正直に書くと、これらはアクセス元の技術情報であって、受信者本人の氏名を証明するものではありません。URLを知っていれば誰でも受け取れる方式である以上、「本人かどうか」を確実に特定できない点は当社も同じです。IPアドレスや地域が残ることで「想定と違う場所から落とされた」ことには気づけますが、それは本人確認とは別の話です。あわせて、IPアドレス制限で落とせる場所を事前に絞れることと、ダウンロード通知で受け取られた時点をすぐ知れることが実務上の差になります。
ただし、正直に書くとギガワタスにもデメリットはあります。
- 会員登録が必要 — ギガファイル便は登録不要で使えるが、ギガワタスの全機能を使うにはメールアドレスでの無料会員登録が必要
- 知名度が低い — ギガファイル便に比べると圧倒的に知名度が低く、受取側が「知らないサービスだけど大丈夫?」と不安を感じる可能性がある
- 無料プランには自社広告が出る — 「取引先の画面に出る通常広告を減らしたい」だけが目的なら、ギガファイル便のプレミアム(月999円)のほうが目的に合う場合がある(ただしプレミアムでもタイアップ広告は残る)
それでもセキュリティ機能の差は大きいです。当社でも以前はパスワードを「本日の日付4桁です」とメールに書いて送るPPAP運用をしていました。IT企業としてどうかと思い、セキュリティ機能を充実させた経緯があります。法人ユーザーからも「ウイルスチェック機能の対象範囲を教えてほしい」といった具体的なセキュリティ要件の問い合わせが増えており、企業のファイル転送に対するセキュリティ意識は年々高まっています。
ギガファイル便の「無料で大容量」という強みはそのままに、法人利用に必要なセキュリティを備えたサービスを選ぶのが現実的な解決策です。
無料会員でも個人のファイル送信には十分ですが、複数人での利用管理、受取フォルダ(取引先からアップロードしてもらう仕組み)、より細かなアクセス制御が必要な企業には、ギガワタスの法人プランが適しています。IP制限・ダウンロード履歴・受取フォルダを標準で備え、脱PPAPと社外への安全なファイル受け渡しを両立できます。
よくある質問
Q. ギガファイル便を会社で使うのは違法ですか?
商業目的で使うこと自体は禁止されていません。公式のよくある質問でも「商業的に利用される場合でも、GigaFile便のサービスはすべて無料」と商業利用が明示的に認められています。ただし、これは「何を送っても合法」という意味ではありません。送るファイルの内容や権限(個人情報、営業秘密、著作物、取引先との秘密保持契約など)によっては、サービスの利用可否とは別に問題になります。また、漏洩が起きたときに送信した企業としての責任がなくなるわけでもありません。個人情報保護法では、個人データの漏えい等が本人の権利利益を害するおそれがある場合に個人情報保護委員会への報告と本人への通知が義務づけられています。「無料サービスを使っていた」ことは免責事由になりません。
Q. ギガファイル便で誰がダウンロードしたか分かりますか?
履歴は残りますが、「誰が」は特定できません。会員登録すれば無料のままアップロード履歴・ダウンロード履歴を1年間閲覧できますが、公式の会員向けサービス説明によれば、利用者が確認できるのはファイル名・ダウンロードURL・保持期限・日時までで、ダウンロードした人のアカウントやIPアドレスは表示されません。なお、これはギガファイル便に限った話ではなく、URLを知っていれば誰でも落とせる方式のサービスは、当社ギガワタスも含めて受信者本人を特定する機能を持ちません。違いが出るのは事後の特定ではなく事前の統制で、ギガワタスのダウンロード詳細履歴には日時・IPアドレス・地域・ブラウザ情報が残るため、「どこから落とされたか」までは追えますが、これも本人の氏名を証明するものではありません。無料会員ならIPアドレス制限でダウンロードできる場所を事前に限定でき、ダウンロード通知で受け取られた時点をすぐ把握できます。
Q. ギガファイル便を会社で使うと料金はかかりますか?
業務利用そのものは無料です。公式のよくある質問に「商業的に利用される場合でも、GigaFile便のサービスはすべて無料となっており、有料のサービスはございません」と記載されています。ただし実際には2026年1月に広告非表示の有料プラン(スタンダード198円/プレミアム999円)が新設されており、この公式FAQの記述と現在のプラン提供内容は一致していません。業務利用そのものが無料である点は変わりませんが、広告を消したい場合は有料プランが必要です。
Q. ギガファイル便を業務で使ってよいか、社内でどう判断すればいいですか?
まず自社の情報セキュリティポリシーと社内規程を確認し、外部のファイル転送サービス利用が許可されているかを見てください。そのうえで送るファイルの中身で線を引くのが実務的です。個人情報・契約情報を含まない社内資料の一時的な受け渡しであれば、本記事の5つの論点はいずれも影響が小さく、社内規程で許可されていて可用性の要件も問題ない限り、候補になり得ます。一方、顧客情報や取引先の機密データを送る場合は、「誰がダウンロードしたか追えない」「第三者認証を確認できない」の2点が稟議や情シス審査で論点になりやすく、組織によっては利用不可と判断されます。その場合はダウンロード履歴とIPアドレス制限を持つサービスに切り替えるのが早道です。
Q. 取引先からギガファイル便でファイルが送られてきたらどうすればいい?
受け取ること自体が禁じられるものではありません。送信元に心当たりがあることを確認したうえで、ダウンロード前にウイルスチェック結果を確認し、業務用PCのセキュリティソフトを有効にしておくのが基本的な対策です(社内規程で受信も制限されている場合は、それに従ってください)。ただし、自社から送る側としてギガファイル便を使うかどうかは別の判断です。
Q. 上司にギガファイル便を禁止されました。代わりに何を使えばいいですか?
無料で使えるセキュリティ重視のサービスとしてギガワタス(AES-256暗号化、プライバシーマーク取得)やデータ便(セキュリティ便あり)があります。詳しくは「ギガファイル便の代わりになるサービス7選」をご覧ください。
まとめ
ギガファイル便は会社で使えます。業務利用でも料金はかからないと公式が明記しており、広告が気になる場合も月198円で自分側の画面、月999円なら転送相手の画面まで非表示にできます(タイアップ広告など一部は対象外)。そこは正直に評価すべき点です。
それでも法人利用で確認しておきたい点は3つあります。アクセス元まで残るログがないこと、ファイル自体の暗号化が公式に確認できないこと、そしてプライバシーマークを公開情報では確認できないことです(JIPDEC付与事業者検索・ISMS-ACとも該当0件/2026年8月26日確認)。この3つは有料プランに加入しても変わりません。自社の審査基準によっては、この3点が稟議や監査での確認事項になります。逆に、いずれも要件に入っていない組織であれば問題になりません。
ギガファイル便以外の選択肢を網羅的に見たい方はファイル転送サービス15選の総合比較もご覧ください。
2019年の宅ふぁいる便事件以降、「無料だから仕方ない」では済まない時代になりました。情報漏洩が起きた後に「なぜ無料サービスを使っていたのか」と問われるのは、担当者自身です。
判断の順序はシンプルです。①送るファイルに個人情報・機密情報が含まれるか、②漏洩したとき「いつ・どこから受け取られたか」を説明する必要があるか。どちらも「いいえ」ならギガファイル便で十分です。ひとつでも「はい」なら、ダウンロード日時やアクセス元IPが残る詳細ログ、アクセス元の事前制限、ファイル自体の暗号化のうち、自社の説明責任に必要なものを備えたサービスを選んでください。なお、どのサービスを選んでも、IPアドレス等の記録だけで受信者本人を確実に特定できるわけではありません。無料でもこれらを満たすサービスは存在します。まずは試してみてください。