ファイル転送で情報漏洩が起きる5つの原因と防ぎ方【事例つき】
セキュリティ2026年4月25日

ファイル転送で情報漏洩が起きる5つの原因と防ぎ方【事例つき】

最終更新日: 2026年4月23日

ファイル転送で情報漏洩が起きる原因は、大きく5つに整理できます。そして5つとも、適切なサービス選びと運用で防げます。

プライバシーマーク取得企業としてファイル転送サービスを運営する立場から、漏洩が起きる「経路」を図解つきで解説します。2023〜2024年に実際に起きた事件も取り上げるので、自社の対策が十分かチェックしてみてください。

この記事はギガワタス(giga-watasu.jp)の運営ブログです。自社サービスを含む解説を行いますが、技術的事実に基づいて記載しています。

ファイル転送で情報漏洩が起きる「5つの経路」

ファイルは送信者のPCから受信者のPCに届くまで、複数のポイントを経由します。漏洩はどのポイントでも起きえます。まず全体像を見てください。

💻
送信者のPC
📡
アップロード
通信中
🗃
サーバー保管
🔗
URL共有
💻
受信者のPC
❶ 通信の盗聴
SSL未対応だと傍受される
❷ サーバー攻撃
不正アクセスでファイル流出
❸ URLの漏洩
誤送信・転送でURLが漏れる
❹ ウイルス混入
感染ファイルを受信する
❺ DL後の独り歩き
DL後にコピー・再配布される

それぞれ解説します。

❶ 通信中の盗聴(SSL/TLS未対応のサービス)

アップロード・ダウンロードの通信がSSL/TLSで暗号化されていなければ、第三者が通信を傍受してファイルの中身を見ることができます。

2026年現在、主要なファイル転送サービスはほぼすべてSSL/TLSに対応しています。ただしSSL対応だけでは不十分です(後述)。

❷ サーバーへの不正アクセス

ファイルを預かるサーバー自体が攻撃されるパターンです。2019年の宅ふぁいる便事件、2023年のMOVEit事件がこれにあたります。

サーバー上でファイルがAES-256(銀行のオンラインバンキングと同じ暗号化方式)で暗号化されていれば、仮に不正アクセスされてもファイルの中身は読めません。暗号化せず平文で保管しているサービスでは、サーバーが突破された時点で全ファイルが流出します。

❸ URLの横流し・誤送信

ダウンロードURLを間違った相手に送ってしまう。受信者がURLを社内チャットに貼り、関係ない人がダウンロードしてしまう。

サービスの脆弱性ではなくヒューマンエラーですが、最も頻繁に起きる漏洩パターンです。2024年の上場企業における情報漏洩189件のうち「誤表示・誤送信」は41件で全体の約22%を占めています(東京商工リサーチ調べ)。

対策はシンプルです。パスワード保護とダウンロード回数制限を設定する。URLが漏れても、パスワードを知らなければダウンロードできません。

❹ ウイルス感染ファイルの受信

送信者が気づかずウイルスに感染したファイルをアップロードし、受信者がダウンロードして感染するケースです。

ギガワタスではプレミアムプラン(月550円)でウイルススキャン機能を提供しています。「ウイルスチェックの対象範囲はどこまでか」は法人ユーザーから最も多い問い合わせの一つです。詳しくは「ギガファイル便にウイルスの危険はある?」で各サービスのウイルス対策を比較しています。

❺ ダウンロード後のファイル独り歩き

見落とされがちなリスクです。受信者がダウンロードしたファイルを別の人にメールで転送したり、USBメモリにコピーしたりする。ファイル転送サービスの管理外で起きるため、サービス側では制御できません。

完全に防ぐことはできませんが、以下で被害を最小化できます。

  • ダウンロード期限を短く設定する(不要になったら自動削除)
  • ダウンロード回数を制限する(1回だけに設定すれば再ダウンロード不可)
  • IPアドレス制限(社内ネットワークからのみアクセス可能にする)

「SSLがあれば安全」は半分だけ正解

「SSL対応なので安全です」という説明をよく見かけますが、これは半分だけ正解です。SSLが守るのはファイルの「移動中」だけです。

SSL/TLS で保護される
📡
通信中
アップロード・ダウンロード時の通信を暗号化
|
SSL では守れない
🗃
サーバー保管中
AES-256等の保存時暗号化が必要
|
SSL では守れない
🔗
URL管理
パスワード・期限設定・IP制限が必要
SSLは「通信の盗聴」だけを防ぐ技術。サーバー攻撃・URL漏洩・ウイルス混入は別の対策が必要

セキュリティ対策は3層で考える必要があります。

  1. 通信の暗号化(SSL/TLS): ほぼ全サービスが対応。最低限の条件
  2. 保管時の暗号化(AES-256等): サーバーが攻撃されてもファイルの中身を読めなくする
  3. アクセス制御(パスワード・期限・IP制限): URLが漏れても被害を防ぐ

SSL対応だけを謳って「安全です」と言うサービスは、2層目と3層目が抜けている可能性があります。暗号化方式の違いについては「ファイル転送の暗号化とは?3つの方式の違い」で詳しく解説しています。

実際に起きた情報漏洩事件3選

ファイル転送に関連する情報漏洩は、過去に大規模な事件が起きています。

ファイル転送関連の主な情報漏洩事件
事件 時期 被害規模 原因 教訓
宅ふぁいる便 2019年 約481万件の会員情報 不正アクセス。パスワードが暗号化されず平文保存 サービス自体のセキュリティ実装が重要。サービスは廃止
MOVEit Transfer 2023年 2,353組織・6,434万人超 SQLインジェクション。ランサムウェアグループCl0pが悪用 取引先経由でも被害。サプライチェーンリスク
2024年 上場企業全体 2024年 189件・1,586万人分 不正アクセス60%、誤送信22% 4年連続で過去最多。ヒューマンエラーが2割

出典: 東京商工リサーチ(2024年調査)DataClasys(2025年1月)

注目すべきは、2024年の誤送信41件です。高度なサイバー攻撃ではなく、「間違った相手にファイルを送った」「添付ファイルを間違えた」という単純ミスが情報漏洩の5件に1件を占めています。

当社でもかつてはPPAPを使っていましたが、セキュリティ的に無意味だったため廃止しました(詳しくは「脱PPAPの進め方」参照)。メール添付の容量制限でファイル転送サービスを使い始める方も多いです(「メール添付ファイルの容量制限一覧」も参考にしてください)。

漏洩経路ごとの対策と、サービスの対応状況

5つの漏洩経路に対して、何が有効かを整理します。暗号化方式の技術的な違いは「ファイル転送の暗号化とは?3つの方式の違い」で詳しく解説しているので、ここでは「どの経路にどの機能が効くか」に絞ります。

ギガワタスのアップロード設定画面 — 共有期限・パスワード保護・ダウンロード回数制限を無料で設定できる

漏洩経路と有効な対策の対応表
漏洩経路 有効な対策 なぜ効くか
❶ 通信の盗聴 SSL/TLS通信 通信経路を暗号化し傍受を防ぐ
❷ サーバー攻撃 AES-256保管時暗号化 サーバーが突破されてもファイルが読めない
❸ URLの漏洩 パスワード + DL回数制限 URLが漏れてもパスワードなしではDL不可
❹ ウイルス混入 ウイルススキャン アップロード時に感染ファイルをブロック
❺ DL後の独り歩き 期限設定 + IP制限 再DLを防ぎ、アクセス元を限定する

では、主要サービスがこれらの対策にどれだけ対応しているか見てみましょう。

主要ファイル転送サービスのセキュリティ機能比較(2026年4月確認)
チェック項目 ギガワタス ギガファイル便 データ便
SSL/TLS通信 ○ 対応 ○ 対応 ○ 対応
保管時暗号化(AES-256) ○ 対応 ✕ 非公開 ✕ 非公開
パスワード保護 ○ 無料から ○ 対応 ○ 対応
DL回数制限 ○ 無料から ✕ なし △ 有料のみ
ウイルススキャン △ 有料(月550円) ○ 無料 ✕ なし
プライバシーマーク ○ 取得済み ✕ なし ○ 取得済み

各サービスの公式サイトをもとに調査(2026年4月23日時点)。「非公開」は公式に仕様が明記されていないもの

ギガファイル便は無料でウイルススキャンまで対応しており、コストゼロでセキュリティ機能を使える点が強みです。データ便はプライバシーマーク取得済みで、セキュリティ便(受取申請制)という独自機能があります。

一方、ギガワタスのデメリットも正直に書きます。

  • ウイルススキャンは有料プラン限定(月550円)。ギガファイル便は無料で対応している
  • 知名度ではギガファイル便に大きく劣る。受信者が「このサービス知らない」と不安に思う可能性がある

セキュリティ機能の詳しい比較は「ギガファイル便は危険?セキュリティの実態と安全な使い方」と「セキュアファイル転送サービス5選」で解説しています。

ギガワタスでセキュアにファイルを送る — 登録不要・無料で300GBまで

今日からできる情報漏洩対策フローチャート

「結局、自分はどこまで対策すればいいのか?」を判断できるフローチャートです。

社外にファイルを送る?
いいえ
対策レベル: 低
社内ストレージでOK
はい
機密情報を含む?
いいえ
対策レベル: 中
SSL + パスワード
はい
対策レベル: 高
AES-256 + パスワード
+ 期限 + IP制限

対策レベル「中」でも、最低限パスワードは設定してください。URLだけで誰でもダウンロードできる状態は、メール誤送信1回で情報漏洩につながります。

対策レベル「高」が必要な場合は、AES-256暗号化とIPアドレス制限に対応したサービスを選んでください。ギガワタスのプレミアムプラン(月550円)はこの全てに対応しています。

ギガワタスのIPアドレス制限画面 — 許可するIPアドレスを追加して社内ネットワークからのみダウンロード可能にできる

よくある質問

Q. 無料のファイル転送サービスは危険ですか?

無料だから危険、有料だから安全とは限りません。重要なのは暗号化方式、パスワード保護、運営企業の信頼性です。ギガワタスは無料プランでもSSL + AES-256暗号化 + パスワード保護に対応しています。ただしウイルススキャンやIPアドレス制限は有料プランの機能です。

Q. ファイル転送とメール添付、どちらが安全ですか?

セキュリティ機能が充実したファイル転送サービスの方が安全です。メール添付はパスワード保護やダウンロード期限の設定ができません。メールは受信サーバーに残り続けるため、ファイルの独り歩きリスクが高くなります。

Q. PPAPはまだ使っていいですか?

推奨しません。2020年に内閣府がPPAP廃止を発表して以降、多くの企業がPPAPを受信拒否しています。パスワード付きZIPはウイルススキャンをすり抜ける問題もあります。詳しくは「脱PPAPの進め方」をご覧ください。

Q. ウイルスチェックはどこまでチェックしてくれますか?

サービスによって異なります。ギガワタスのプレミアムプランでは、アップロード時にファイルをスキャンしウイルス検出時はアップロードをブロックします。ただし500MBを超える大容量ファイル(主に動画)はスキャン対象外です。大容量の動画ファイルはスキャンに時間がかかりサーバー負荷も大きいためです。

Q. ダウンロードURLが漏れたらどうなりますか?

パスワードを設定していなければ、URLを知っている人は誰でもファイルをダウンロードできます。パスワード保護 + ダウンロード回数制限を設定していれば、URLが漏れても被害を防げます。

まとめ

ファイル転送の情報漏洩は「通信中の盗聴」「サーバー攻撃」「URL漏洩」「ウイルス混入」「DL後の独り歩き」の5経路に整理できます。そしてどの経路も、適切なサービス選びと運用で防げます。

最低限やるべきことは3つです。

  1. SSL + AES-256暗号化に対応したサービスを使う
  2. ダウンロードURLにパスワードを設定する
  3. ダウンロード期限を短く設定する

ギガワタスはこの3つを無料プランで対応しています。まず無料で試して、ウイルススキャンやIPアドレス制限が必要になったらプレミアムプラン(月550円)を検討してみてください。

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吉岡 崇

吉岡 崇

株式会社グッドヒルシステムズ 代表取締役

ダビングコピー革命、オモイデ+PLUS、ギガワタス、システム開発革命等のサービスを提供しています。

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