ファイル転送で情報漏洩が起きる5つの原因と防ぎ方【事例つき】
セキュリティ2026年4月25日

ファイル転送で情報漏洩が起きる5つの原因と防ぎ方【事例つき】

最終更新日: 2026年4月29日

ファイル転送で情報漏洩が起きる原因は、大きく5つに整理できます。そして5つとも、適切なサービス選びと運用で防げます。

プライバシーマーク取得企業としてファイル転送サービスを運営する立場から、漏洩が起きる「経路」を図解つきで解説します。2023〜2024年に実際に起きた事件も取り上げるので、自社の対策が十分かチェックしてみてください。

この記事はギガワタス(giga-watasu.jp)の運営ブログです。自社サービスを含む解説を行いますが、技術的事実に基づいて記載しています。

ファイル転送で情報漏洩が起きる「5つの経路」

ファイルは送信者のPCから受信者のPCに届くまで、複数のポイントを経由します。漏洩はどのポイントでも起きえます。まず全体像を見てください。

ファイル転送の流れと5つの情報漏洩ポイント — 送信者PC→アップロード→サーバー保管→URL共有→受信者PCの各段階にリスクがある

それぞれ解説します。

❶ 通信中の盗聴(SSL/TLS未対応のサービス)

アップロード・ダウンロードの通信がSSL/TLSで暗号化されていなければ、第三者が通信を傍受してファイルの中身を見ることができます。

2026年現在、主要なファイル転送サービスはほぼすべてSSL/TLSに対応しています。ただしSSL対応だけでは不十分です(後述)。

❷ サーバーへの不正アクセス

ファイルを預かるサーバー自体が攻撃されるパターンです。2019年の宅ふぁいる便事件、2023年のMOVEit事件がこれにあたります。

サーバー上でファイルがAES-256(銀行のオンラインバンキングと同じ暗号化方式)で暗号化されていれば、仮に不正アクセスされてもファイルの中身は読めません。暗号化せず平文で保管しているサービスでは、サーバーが突破された時点で全ファイルが流出します。

❸ URLの横流し・誤送信

ダウンロードURLを間違った相手に送ってしまう。受信者がURLを社内チャットに貼り、関係ない人がダウンロードしてしまう。

サービスの脆弱性ではなくヒューマンエラーですが、最も頻繁に起きる漏洩パターンです。2024年の上場企業における情報漏洩189件のうち「誤表示・誤送信」は41件で全体の約22%を占めています(東京商工リサーチ調べ)。

対策はシンプルです。パスワード保護とダウンロード回数制限を設定する。URLが漏れても、パスワードを知らなければダウンロードできません。

❹ ウイルス感染ファイルの受信

送信者が気づかずウイルスに感染したファイルをアップロードし、受信者がダウンロードして感染するケースです。

ギガワタスでは無料会員登録でウイルススキャン機能を利用できます。「ウイルスチェックの対象範囲はどこまでか」は法人ユーザーから最も多い問い合わせの一つです。詳しくは「ギガファイル便にウイルスの危険はある?」で各サービスのウイルス対策を比較しています。

❺ ダウンロード後のファイル独り歩き

見落とされがちなリスクです。受信者がダウンロードしたファイルを別の人にメールで転送したり、USBメモリにコピーしたりする。ファイル転送サービスの管理外で起きるため、サービス側では制御できません。

完全に防ぐことはできませんが、以下で被害を最小化できます。

  • ダウンロード期限を短く設定する(不要になったら自動削除)
  • ダウンロード回数を制限する(1回だけに設定すれば再ダウンロード不可)
  • IPアドレス制限(社内ネットワークからのみアクセス可能にする)

「SSLがあれば安全」は半分だけ正解

「SSL対応なので安全です」という説明をよく見かけますが、これは半分だけ正解です。SSLが守るのはファイルの「移動中」だけです。

SSLが守る範囲と守れない範囲 — 通信中はSSLで保護されるが、サーバー保管中とURL管理は別の対策が必要

セキュリティ対策は3層で考える必要があります。

  1. 通信の暗号化(SSL/TLS): ほぼ全サービスが対応。最低限の条件
  2. 保管時の暗号化(AES-256等): サーバーが攻撃されてもファイルの中身を読めなくする
  3. アクセス制御(パスワード・期限・IP制限): URLが漏れても被害を防ぐ

SSL対応だけを謳って「安全です」と言うサービスは、2層目と3層目が抜けている可能性があります。暗号化方式の違いについては「ファイル転送の暗号化とは?3つの方式の違い」で詳しく解説しています。

実際に起きた情報漏洩事件3選

ファイル転送に関連する情報漏洩は、過去に大規模な事件が起きています。

ファイル転送関連の主な情報漏洩事件
事件 時期 被害規模 原因 教訓
宅ふぁいる便 2019年 約481万件の会員情報 不正アクセス。パスワードが暗号化されず平文保存 サービス自体のセキュリティ実装が重要。サービスは廃止
MOVEit Transfer 2023年 2,353組織・6,434万人超 SQLインジェクション。ランサムウェアグループCl0pが悪用 取引先経由でも被害。サプライチェーンリスク
2024年 上場企業全体 2024年 189件・1,586万人分 不正アクセス60%、誤送信22% 4年連続で過去最多。ヒューマンエラーが2割

出典: 東京商工リサーチ(2024年調査)DataClasys(2025年1月)

注目すべきは、2024年の誤送信41件です。高度なサイバー攻撃ではなく、「間違った相手にファイルを送った」「添付ファイルを間違えた」という単純ミスが情報漏洩の5件に1件を占めています。

当社でもかつてはPPAPを使っていましたが、セキュリティ的に無意味だったため廃止しました(詳しくは「脱PPAPの進め方」参照)。メール添付の容量制限でファイル転送サービスを使い始める方も多いです(「メール添付ファイルの容量制限一覧」も参考にしてください)。

漏洩経路ごとの対策と、サービスの対応状況

5つの漏洩経路に対して、何が有効かを整理します。暗号化方式の技術的な違いは「ファイル転送の暗号化とは?3つの方式の違い」で詳しく解説しているので、ここでは「どの経路にどの機能が効くか」に絞ります。

ギガワタスのアップロード設定画面 — 共有期限・パスワード保護・ダウンロード回数制限を無料で設定できる

漏洩経路と有効な対策の対応表
漏洩経路 有効な対策 なぜ効くか
❶ 通信の盗聴 SSL/TLS通信 通信経路を暗号化し傍受を防ぐ
❷ サーバー攻撃 AES-256保管時暗号化 サーバーが突破されてもファイルが読めない
❸ URLの漏洩 パスワード + DL回数制限 URLが漏れてもパスワードなしではDL不可
❹ ウイルス混入 ウイルススキャン アップロード時に感染ファイルをブロック
❺ DL後の独り歩き 期限設定 + IP制限 再DLを防ぎ、アクセス元を限定する

では、主要サービスがこれらの対策にどれだけ対応しているか見てみましょう。

主要ファイル転送サービスのセキュリティ機能比較(2026年4月確認)
チェック項目 ギガワタス ギガファイル便 データ便
SSL/TLS通信 対応 対応 対応
保管時暗号化(AES-256) 対応 × 非公開 × 非公開
パスワード保護 無料から 対応 対応
DL回数制限 無料から × なし 有料のみ
ウイルススキャン 無料会員から 無料 × なし
プライバシーマーク 取得済み × なし 取得済み

各サービスの公式サイトをもとに調査(2026年4月29日時点)。「非公開」は公式に仕様が明記されていないもの

ギガファイル便は無料でウイルススキャンまで対応しており、コストゼロでセキュリティ機能を使える点が強みです。データ便はプライバシーマーク取得済みで、セキュリティ便(受取申請制)という独自機能があります。

一方、ギガワタスのデメリットも正直に書きます。

  • ゲスト・無料会員には広告が表示される。ギガファイル便は完全無料だがギガワタスの無料プランには広告がある
  • 知名度ではギガファイル便に大きく劣る。受信者が「このサービス知らない」と不安に思う可能性がある

セキュリティ機能の詳しい比較は「ギガファイル便は危険?セキュリティの実態と安全な使い方」と「セキュアファイル転送サービス5選」で解説しています。

ギガワタスでセキュアにファイルを送る — 登録不要・無料で333GBまで

今日からできる情報漏洩対策フローチャート

「結局、自分はどこまで対策すればいいのか?」を判断できるフローチャートです。

ファイル送信時のセキュリティ対策レベル判断フロー — 社外送信か、機密情報を含むかによって必要な対策レベルが変わる

対策レベル「中」でも、最低限パスワードは設定してください。URLだけで誰でもダウンロードできる状態は、メール誤送信1回で情報漏洩につながります。

対策レベル「高」が必要な場合は、AES-256暗号化とIPアドレス制限に対応したサービスを選んでください。ギガワタスは無料会員登録でこの全てに対応しています。

ギガワタスのIPアドレス制限画面 — 許可するIPアドレスを追加して社内ネットワークからのみダウンロード可能にできる

よくある質問

Q. 無料のファイル転送サービスは危険ですか?

無料だから危険、有料だから安全とは限りません。重要なのは暗号化方式、パスワード保護、運営企業の信頼性です。ギガワタスは無料プランでもSSL + AES-256暗号化 + パスワード保護に対応しています。さらに無料会員登録でウイルススキャンやIPアドレス制限も利用できます。

Q. ファイル転送とメール添付、どちらが安全ですか?

セキュリティ機能が充実したファイル転送サービスの方が安全です。メール添付はパスワード保護やダウンロード期限の設定ができません。メールは受信サーバーに残り続けるため、ファイルの独り歩きリスクが高くなります。

Q. PPAPはまだ使っていいですか?

推奨しません。2020年に内閣府がPPAP廃止を発表して以降、多くの企業がPPAPを受信拒否しています。パスワード付きZIPはウイルススキャンをすり抜ける問題もあります。詳しくは「脱PPAPの進め方」をご覧ください。

Q. ウイルスチェックはどこまでチェックしてくれますか?

サービスによって異なります。ギガワタスでは無料会員登録で利用でき、アップロード時にファイルをスキャンしウイルス検出時はアップロードをブロックします。ただし500MBを超える大容量ファイル(主に動画)はスキャン対象外です。大容量の動画ファイルはスキャンに時間がかかりサーバー負荷も大きいためです。

Q. ダウンロードURLが漏れたらどうなりますか?

パスワードを設定していなければ、URLを知っている人は誰でもファイルをダウンロードできます。パスワード保護 + ダウンロード回数制限を設定していれば、URLが漏れても被害を防げます。

まとめ

ファイル転送の情報漏洩は「通信中の盗聴」「サーバー攻撃」「URL漏洩」「ウイルス混入」「DL後の独り歩き」の5経路に整理できます。そしてどの経路も、適切なサービス選びと運用で防げます。

15社をセキュリティ・無料・大容量など多軸で比較したい方はファイル転送サービス15選|2026年版もチェック。

最低限やるべきことは3つです。

  1. SSL + AES-256暗号化に対応したサービスを使う
  2. ダウンロードURLにパスワードを設定する
  3. ダウンロード期限を短く設定する

ギガワタスはこの3つを無料プランで対応しています。さらに無料会員登録すれば、ウイルススキャンやIPアドレス制限も追加料金なしで使えます。

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吉岡 崇

吉岡 崇

株式会社グッドヒルシステムズ 代表取締役

ダビングコピー革命オモイデ+PLUSギガワタスシステム開発革命等のサービスを提供しています。

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